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“ヤバい”美容系クリニックの見分け方「医師の名前や経歴がサイトに記載されていない」「求人欄に『医師、経験不問』」 

(写真/PIXTA)

医師が時間をかけてカウンセリングをしてくれるクリニックを選ぶこと(写真/PIXTA)

「初回100円キャンペーン中!」「月々たった3000円!」—街中でも、SNS上でも、夏が近づくにつれ毎日のように見かける脱毛サロンの広告。店舗数が多くリーズナブルな価格で通えることもあり、いまや若い女性に限らず、男性や中高年にも利用する人が増えている。

 だが、利用者が増えれば、トラブルも増える。昨年度、国民生活センターに寄せられた脱毛エステのトラブルは1万9060件。4年間で7倍に急増した。

 6月には、大阪の脱毛エステ店で施術を受けた女性が背中一面に全治2週間のやけどを負っていたことが発端となり、同エステ経営者と従業員が業務上過失傷害と医師法違反の疑いで書類送検されている。医師免許を持たない者が施術を行う場合、脱毛器の照射口に出力を弱めるフィルターをつけなければならないことなどを知らず、医療行為に匹敵する高出力で施術を行っていた疑いだ。美容・医療ジャーナリストの海野由利子さんが言う。

「脱毛には医師のいるクリニックが行う『医療脱毛』と、エステサロンで行う『美容脱毛』があります。毛根を熱で破壊して永久的に毛が生えないようにする医療脱毛は医療行為であり、効果が高いぶんリスクも伴うため、サロンでは行えません。やけどを負わせたとなると、法律的には傷害にあたるともいわれます。

 しかし実際にはこの事件のように医療レベルの機器を使用したり、適切な出力や照射時間で行っていない事例も報告されていますし、エステサロンで可能な範囲の光脱毛を関係者が理解していない例もあります」(海野さん)

 小顔効果が期待できるとして人気の美容医療「HIFU」も、出力が強すぎることによるやけどや急性白内障のほか、体にまひが残るなどのトラブルは多く、その数は2015年以降135件にものぼる。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが言う。

「ハイフは、高密度の超音波を照射して皮膚深部の組織を加熱し活性化させることで、しわやたるみを改善する施術です。しかし、失敗すると皮膚表面のやけどや、内部の神経を損傷してまひを引き起こすことがあるのです」

 美容医療は自由診療のため、こうしたトラブルが起きた際は施術を受けた医療機関やサロンからの返金はあっても、治療のための医療費や障害年金など、国からの補償を得ることはできない。

 メニューの豊富さや安全性の向上、効果の高さなどから、美容医療を受けるためにクリニックに通うことへのハードルは下がり、市場は急成長している。だが、だからこそ「どのクリニック」で「どんな施術」を受けるかは慎重に選ぶ必要がある。絶対に避けなければならないのは、ウエブサイトなどに医師の名前や経歴が記載されていないクリニックだ。

「責任の所在が不明確ということは、トラブルがあっても、対処しない可能性が高い。また、名前が書いてあったとしても、日本形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚科学会など、美容医療に関連する専門医資格がない場合は避けた方がいいでしょう。

 また、カウンセリングを医師ではなくカウンセラーが行うクリニックや、施術のリスクやデメリットを含めた説明がないクリニックも危険です。医療行為である以上本来慎重に行うべきなのに、自分の手技に自信過剰な態度の医師も、トラブルが多い傾向にあります」(室井さん)

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