国内

20~50代男性、20代女性に急増する梅毒感染報告数 インバウンドも影響か

東京を観光する外国人訪日客。日本政府観光局が発表した5月の訪日外国人数(推計値)は、前年同月比約13倍の189万8900人だった(時事通信フォト)

東京を観光する外国人訪日客。日本政府観光局が発表した5月の訪日外国人数(推計値)は、前年同月比約13倍の189万8900人だった(時事通信フォト)

 何が大きな変化が日本に現れると、原因として大きな声では語られることがないが、少なくない人が指摘する現象がある。たとえば、訪日外国人観光客が増加し、日本の人々が様々な形で世界の人たちと交流しているために起きているのではないかと思われることがあっても、それがマイナスの現象だと口に出して言いづらい雰囲気が今は強い。ライターの宮添優氏が、不平不満を大声で言うことを憚りつつも、歓迎できないことが現実に起きている周辺で不安な気持ちを抱える人たちに聞いた。

 * * *
 全国で梅毒患者が急増している。東京都では2022年の1.5倍ペース、女性だけに限れば梅毒の発生報告数は10年前と比較して40倍ほどに膨れ上がっているという。増加傾向は東京だけではなく、全国的な現象だ。

 厚生労働省が発表している全国調査のデータを見ると、日本での感染者数は1967年の1万1000人をピークに長らく減少傾向にあり、2012年までは1000人を超えることがなかった。ところが、2013年に1228人を記録すると急増に転じ、2022年は1万2千964人と過去最多を記録した。年代別にみると、男性は20~50代、女性は20代の報告数が突出している。

公式な発表はないけれど……

「出会い系サイトやマッチングアプリの利用拡大が背景とも言われていますが、きっかけはインバウンドだと思いますよ。公式にはそのような発表はなされていませんが……」

 こう話すのは、九州在住の検査機関スタッフ・西岡知之さん(仮名・40代)。2010年代前半から、梅毒を始めとした性病検査に従事しているというが、梅毒をめぐる状況が明らかに変わったのは、やはり資料通り「2015年前後」であったと断言する。そのころ、一体何があったのか。

「アジアからのインバウンド客の急増を受けて、福岡や熊本などの性風俗店では、それまでお断りだった外国人にも門戸を開放したんです。感染ルートがはっきりわかっているわけではないものの、肌感覚としては、これが原因だったとしか考えられません」(西岡さん)

 元々梅毒は、感染すると男性の方が痛みや違和感など、自覚症状が出やすいとされる。したがって統計の報告数のうち男性が多い傾向にあったが、男女ともにある時期から急増しているのは、やはり外的要因ではないかと指摘する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン