毎年恒例となっていた那須御用邸での夏のご静養が4年ぶりに再開されようとしている。注目されたのは、上皇ご夫妻が“先”という順序だった。「天皇皇后」というお立場を優先されるのではなく、「ご両親」を慮られた雅子さまの痛切な思いとは──。
「那須御用邸(栃木県)は、雅子さまと愛子さまにとって大変思い入れの深い場所です。動物好きの愛子さまは小学校入学前から、車で20分ほどの『那須どうぶつ王国』に何度も足を運ばれ、ラクダに乗られたり、バードショーを楽しまれたりしました。
ご一家が最後に御用邸を訪れたのは2019年。当時高校3年生だった愛子さまは、愛犬の由莉と御用邸内を散策されたり、駅頭で地元住民と会話を交わしたりと、充実した時間を過ごされたご様子でした」(宮内庁関係者)
ところがコロナ禍の影響で、2019年の即位後初滞在以来、夏のご静養は取りやめが続いていた。
「毎年夏、天皇ご一家は8月上旬に須崎御用邸(静岡県)、8月下旬に那須御用邸に行かれるのが恒例でした。今年は4年ぶりにお時間を取られるのではないでしょうか」(皇室記者)
ところがこのほど、天皇ご一家に先立って、上皇ご夫妻のご静養が決まったという。
「上皇さまと美智子さまは、7月24~28日に那須御用邸、8月下旬に軽井沢に滞在されることになりました。上皇ご夫妻もコロナ禍以降、ご静養を中止され、窮屈な日々を送られてきましたから、ようやくホッと息をつかれることができそうです。
ただ、御用邸に関しては、まだ両陛下もご静養を再開されていない段階です。現在の皇室は両陛下が中心なので、先に上皇ご夫妻が御用邸を使われるという『順序』は、両陛下が相当にご夫妻に気を使われ、心配されているということの表れでしょう」(前出・宮内庁関係者)
御代がわりから5年が経過したいまもなお、上皇ご夫妻を優先されていることが垣間見える今回のご静養。その背景には、雅子さまの苦心が見え隠れする──。
7月以降、九州地方や東北地方で記録的大雨が観測され、土砂災害や河川の氾濫に見舞われた地域もあった。
「両陛下は、各地で多くの方が被害に遭われたことに心を痛められているそうです。また、豪雨被害が毎年のように発生していることを案じられているといいます」(前出・宮内庁関係者)