愛読者は全国におり、全盛期の発行部数は18万部

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かおり:その一つひとつに意味があるんだよ。例えば、男の暴走族で特攻服にたすきをかけてる人っているでしょ? あれって、けんかや抗争でチームのメンバーに何かあって背負って逃げるとき、縛れるようになんだよ。だからたすきをかける人は最後尾にいる「けつもち」だけなの。

比嘉:それはおれも知らなかったな。だけど特攻服には男女ともにこだわりを持っている不良が多かったのはよくわかるよ。

かおり:そうなの。みんな誇りを持って着てるからね。着こなしは、『ティーンズロード』を参考にしてたよ。最初は「ほかのチームが載ってるのなんて見たくない」って思ってたんだけど……(笑い)。

比嘉:レディースたちはみんな「自分が一番」だもんね。

かおり:そうなの。でも読んでるうちに「ああ、こんな感じもかっこいいな」「私だったらこういうふうにバイクに乗るのに」って楽しくなってきて。当時はファッション誌を読む感覚だったのかな。だから、自分が出られたときはうれしかった。

『ティーンズロード』読者の多くは普通の子だった

比嘉:かおりちゃんに憧れる読者って、ものすごく多くて、よく編集部に似顔絵と一緒に「かおりさんキレイ!」って書かれたはがきがきてたのはよく覚えてる。ファッションやメイクのページにもずいぶん協力してもらったよね。

かおり:総長が悩み相談を受けるコーナーも印象深いな。「私なんかに悩みを言って、どうするの? いいのかな?」って思ったけど……。

比嘉:だけど、うれしさもあったんじゃない?

かおり:うん。もともと妹の友達とか後輩とかの悩みは聞いてたからね。でも、身近な人なら「こうしろよ」って直接言えるし、何かあったら行って守ってあげられるけど、会ったことのない子にアドバイスするのはすごく難しかった。「ひどいいじめに遭ってる」っていう悩みがきたとき、どう答えたらいいんだろう、って1週間くらい考えたもん。悩みを送ってくる子って切実なんだな、って。

比嘉:そうだよ。実は『ティーンズロード』の読者ってほとんどがレディースみたいに自由に生きたいけどできない、って悶々としてる普通の子たちだったんだ。だからきっとかおりちゃんの言葉に救われたという子は多かったんじゃないかな。

かおり:そうだったんだ。私、初めて知ったよ。読者はヤンキーしかいないと思ってたから。

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