アスリート・コンサルタントの鴻江寿治(こうのえ・ひさお)氏は、2006年の第1回、2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に帯同した経験を持つのを始め、2008年の北京五輪では男女バレーボール、男子野球、女子ソフトボールに、2021年の東京五輪でも女子ソフトボールのチームスタッフに加わった。特にソフトボールでは、2度の金メダル獲得の目撃者となった。トップアスリートの指導を行う鴻江氏が、独自に構築した「鴻江理論」をもとに一般向けに行った「健康増進活動」には、金メダリストが特別ゲストとして登壇した。
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7月9日、東京・葛飾区が実施している区民のための健康づくり事業「かつしか健康チャレンジ」のイベントが、新小岩北地区センターで行われた。男女50名以上が参加し、年齢層は20~80代と幅広い。
登壇したのは、『鴻江スポーツアカデミー』を主宰する、アスリート・コンサルタントの鴻江寿治氏だ。鴻江氏が提唱する「鴻江理論」は、人を猫背型の「うで体」と、反り腰型の「あし体」の2タイプに分類し、それぞれに合った体の使い方を指導するというものだ。
当日は、女子ソフトボール日本代表で、北京、東京の両五輪で金メダリストになった峰幸代選手と、東京五輪で金メダルを獲得した渥美万奈選手が登壇(ともに東京五輪後に引退)。鴻江氏の理論の効果を語った。
「私は、鴻江先生とは北京五輪があった2008年に出会いました。当時は若さもあって、パワーで何事も乗り切るタイプでした。そこから、体の使い方だったり、自分の体を理解してプレーをすることで、60~70%の力で、100%のパフォーマンスを発揮する感覚をつかみました。
すると、100%の力を使えば、120%のプレーができるようになるんです。体の使い方を理解できるかどうかがポイントで、その手助けを、鴻江先生にしていただきました」(峰選手)
峰選手のポジションはキャッチャーで、女子ソフトボール界のレジェンド・上野由岐子投手の快投を支え続けた。
一方、渥美選手のポジションはショート。東京五輪の決勝・アメリカ戦のピンチの場面で、相手バッターの放った強烈な打球を弾いた味方内野手をフォローするスーパーキャッチで、「神ゲッツー」を完成させた。
「私が鴻江先生にお世話になり始めたのは、2016年か2017年頃でしょうか。
当時、腰痛に悩まされていまして、出会った瞬間に“なんじゃ、この腰は?”と、言われてしまったのを覚えています。先生の言う通りで、ずっと腰痛持ちで、小学校の頃から腰痛で練習ができなかったり、ぎっくり腰に頻繁になるような感じでした。それが改善し、選手としても充実したプレーができるようになりました」(渥美選手)