夏は高温多湿のため、放っておくとあちこちが菌の温床になり、衣類、洗濯物、キッチンの生ゴミなど、嫌なにおいが漂っていることがある。共生エアテクノ代表取締役で臭気判定士の松林宏治さんは、こう話す。
「におい分子が壁や床、ソファ、カーテンといった布製品に染み込み、それが高温と湿気により揮発することによってカビのような嫌なにおいが発生します。
それを防ぐためには、まず何はともあれ換気が重要です。1~2時間に1回は窓を開け、部屋の中の空気を入れ替えましょう」(松林さん・以下同)
その上で、場所ごとに、気になるにおいの対策を松林さんに聞いた。
●キッチンの排水口
排水口は常に水がたまり、雑菌の温床になりやすい。
「大敵は“ぬめり”。まずは泡タイプの台所用漂白剤で除菌し、きれいにぬめりを取り除いてから排水口のゴミ受けに氷を入れておきましょう。ぬめりは気温の上昇で発生するため、氷を入れて排水口まわりの温度を下げれば、発生を防げます」
●生ゴミ
「生ゴミは水分が多いと腐りやすく、においのもととなるので、できるだけ水気を切っておく必要がある」と、家事アドバイザーでAllAbout節約ガイドの矢野きくのさんは言う。
「生ゴミは新聞紙に包み、ポリ袋に入れて、口をギュッと閉じてゴミ箱に入れましょう。これだけで充分においをシャットアウトすることができます」(矢野さん・以下同)
●布巾
布巾に付着した菌は、消毒だけでは取りきれないためにおいのもととなる。
「1日1回煮沸消毒するとにおいがかなり軽減されます。煮沸消毒ができない場合は、水に濡らしても破れにくく、絞って使えるキッチンペーパーを使うのもおすすめです。食器拭きや台拭きにも使え、使い終わったら捨てるだけなので衛生的です」
●リビング
バーベキューや焼き肉などをした後、部屋に残るにおいはどう解消すればいいのだろうか。
「ソファやカーテンなど洗いにくい布製品は、濡らして30秒ほど電子レンジで温めたホットタオルで表面を拭くと、においが残りにくくなります」(松林さん)