(写真/PIXTA)

扇風機と併用を推奨(写真/PIXTA)

命を救う掃除と扇風機

 風、温度、そしてそこに潜むカビ──こんなにもあらゆるリスクを伴うならば、やっぱりクーラーではなく冷却ジェルなどで体を冷やせばいいのではないか。そんな問いを石原さんは一刀両断する。

「それは危険です。体を冷やしすぎることもよくないですが、そもそもこの暑さの中で扇風機もクーラーも使わないということ自体、推奨できません」(石原さん・以下同)

 結局、クーラーを使わなければ熱中症で命を落とす危険性がある。では、どう使うべきなのか。

「リモコンの設定温度で判断している人が多いと思いますが、大切なのは室温。26〜28℃がいいといわれているので部屋に室温計を置き、確認しながら温度調節をしてください。また、クーラーの風は直接体に当てないのが鉄則です」

 宋さんによれば、冷たい空気は下にこもり、暖かい空気は上に集まるという。

「外気温が高い日中は窓を閉め切り、クーラーを28℃設定にして扇風機で空気を循環させるのが、風を直接体に当てないで済むことに加え、温度制御を正常に保つうえでもとても有効です。夕方から夜間にかけて外気温が下がってきたら、窓を開けて外気を通し、クーラーを送風運転にして扇風機を回すといいです。ただし、夜間でも外気温が高い場合はクーラーをつけましょう」(宋さん・以下同)

 カビによる健康被害を防ぐには、クーラーだけでなく、部屋の掃除も欠かせない。

「クーラーは室内の空気を循環させるので、部屋の掃除は3日に一度は必ずしてください。クーラー内部のカビが心配なときは、稼働させたまま窓を開ければ、カビを含んだ空気ごと換気することができます。また、室温が上がればクーラーの稼働状況が活発になり、カビの発生が改善される場合もあります」

 使い方を間違えれば命をも危険にさらすクーラー。上手に使ってこの夏の猛暑を健康に乗り切ろう。

※女性セブン2023年8月10日号

クーラーが引き起こすさまざまな症状

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