臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、ボディメイクコンテストに挑戦したカーリング女子の藤澤五月選手(32才)の姿によって浮き彫りになった「アンコンシャス・バイアス」について。
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思わず「私、脱いでもすごんです」という、かつて、一世を風靡したあるCMのキャッチコピーが浮かんだ。それほど彼女のビキニ姿は衝撃的で、私を含め多くの人々の内にあった「アンコンシャス・バイアス」を見事に打ち砕くほどのサプライズ登場だった。彼女というのは、2022年の北京五輪、カーリング女子で銀メダルを獲得したロコ・ソラーレの藤澤五月選手だ。
アンコンシャス・バイアスとは自分自身が気づいていない無意識の思い込みや偏見のことで、誰もが持っているものだ。自分の経験や知識、人の属性や印象などで、知らないうちに人物や物事などに対してこうだろうと決めつけたり思い込んだりしてしまう、見方や捉え方の歪みや偏りでもある。
“モグモグタイム”や“そだねー”で注目を集めたカーリングは、今やウインタースポーツの中でも人気の競技だ。冬の競技とはいえ試合などは室内で行われることが多いため、試合などでよく見る女性選手には色白な人が多い。中でも藤澤選手は日本のカーリングを引っ張ってきた立役者の一人。実力も人気も兼ね備え、明るく爽やかで清楚な雰囲気を持ち、色白でちょっとぽっちゃりした可愛い笑顔が魅力的な選手だ。
その藤澤選手がいつものユニフォームを脱いだ。いやユニフォームを脱いだだけはない。ビキニ姿を披露したのだ。それも単にビキニになったのではない。茨城県水戸市で22日に開催されたボディメイクコンテスト「MOLA CUP」で、褐色の肌に全身ムキムキの肉体美を見せたのだ。エメラルドグリーンのビキニをまとったその肉体美を誰が想像できただろう。