あの松井秀喜氏(49)の若き日の姿を彷彿とさせると、巨人・OBらからも期待される選手がいる。2020年に入団した巨人・秋広優人(20)だ。秋広は入団1年目のオープン戦で高卒新人として1993年の松井以来となる打点やマルチ安打を記録。今シーズンは、20歳ながら3番に定着し、7月23日のDeNA戦では、巨人史上初の「高卒入団3年目以下の選手で4試合連続本塁打」を記録している。
そんな秋広の大ブレークのウラには、“ある先輩”の影響が大きいという。巨人番記者が語る。
「秋広が『師匠』と呼ぶ中田翔(34)の存在です。2021年8月にチームメイトへの暴行をきっかけに日本ハムから巨人にトレードされ、周囲の若手がどう接すればいいかわからないなか、秋広は自ら中田がオフに行なう自主トレへの参加を志願しました。
関係者からは『あの中田とつるんで大丈夫か』との声もありましたが、秋広は中田の経験値が自分のプラスになると判断したのでしょう。中田も日ハム時代のような夜遊びや後輩への執拗ないじりはやめて、肉体強化や技術習得、食事面を含めて丁寧にアドバイスしました。秋広の今シーズンの活躍は中田の教えの賜物です」
部屋に日ハム時代の中田のユニフォームを飾るほど慕っている秋広だが、師匠を通してとりわけ熱心に聞いているのは「別の選手」の話だという。
「中田は日ハム時代の大谷の話を秋広によく聞かせるそうです。リーチの長さが共通する秋広にとって、大谷の内角のヒジのたたみ方や外角のボールの打ち方が参考になったと聞いています。中田と秋広は実にいいコンビで、肉離れから一軍に戻ってきた中田が『俺が6番でお前が3番か』とイジったら、14歳年下の秋広が『休み明けでいきなりクリーンアップは無理でしょう』と平然と返していた」(前出・巨人番記者)
一軍に上がった今も、さらなる進化を遂げるべくトレーニングを重ねているようだ。
「今年4月中旬の一軍昇格直後から、亀井善行打撃コーチ(40)は夏場を見据えて腰に巻いたチューブを引っ張って負荷をかけながらバットを振らせてきました。今も継続しており、暑さが本格化する時期になっても夏バテをしていないのはその成果です。この高い意識が続けば、打率・本塁打ともに松井の3年目の記録を超える可能性もゼロではない」(同前)