岸田首相の“跡取り息子”の翔太郎氏。公邸でのどんちゃん騒ぎで首相秘書官を更迭されて早2か月が経つ。この間、雲隠れしたままで去就が注目されていたが、そんな岸田事務所に動きがあった。
翔太郎氏は首相秘書官就任前は岸田首相の公設第二秘書を務めており、自民党内では、「当然、元の公設に戻るだろう」(ベテラン秘書)との見方が強かった。ところが、7月24日、衆院が公表した岸田事務所の3人の公設秘書の届け出には翔太郎氏の名前はなかった。
どんな事情があったのか。岸田派議員が語る。
「翔太郎さんが秘書官を辞職した6月1日は公務員の夏のボーナスの基準日だったから、『ボーナスをもらうために辞職を延ばした』と勘ぐられ、ボーナスも退職金も返上すると発表した。しかし、特別職国家公務員である公設秘書に戻れば、“税金から給料もらうのか”とまた批判を浴びかねない。だから、総理は公設秘書には戻さなかった」
その翔太郎氏はファーストレディである母・裕子夫人の意向で地元・広島の事務所で修業中とも見られていたが、どうやら戻っていないらしい。首相の後援会長・伊藤學人氏が語ってくれた。
「彼は言葉に力があるし、演説はお父さんよりうまい。後継者として期待していますが、今は広島で地道に活動していろんな人と知り合いになるのが彼にとって一番いいと思う。事務所にもそうアドバイスしました。私は広島に来ていると信じていますが、本人からはまだ『広島でじっくりやります』というご挨拶をいただいていません。だからはっきりはわからない」
本誌・週刊ポスト記者が地元事務所を訪ねると、「こちらには翔太郎はいません。もともとこちらと東京を行ったり来たりですが、(地元秘書になるという話は)ありません」という説明だった。
一体、どこで何をしているのだろうか。
※週刊ポスト2023年8月11日号