矢野氏は阪神で一軍の作戦兼バッテリーコーチ、二軍監督を経て2019年シーズンから一軍監督に就任。4年間で優勝には手が届かなかったが、3位、2位、2位、3位と全ての年でAクラス入りしている。現役時代は阪神のイメージが強いが、プロ入り当初は中日に入団し、7年間プレーしている。立派な球団OBだ。
在京スポーツ紙記者は「球団OBにこだわる必要はない」と強調した上で、DeNAで監督を務めたアレックス・ラミレス氏を推す。
「ラミレス氏はオファーがくれば引き受けるでしょう。筒香嘉智の後継者として佐野恵太を主将と4番に抜擢したように選手の能力を引き出すことに長けている。高卒で入団した細川の力も当時から高く評価していましたしね。データを重視するリアリストなので、DeNAの監督時代とは違った中日に合うスタイルを目指すと思います。現在もNPBの野球を逐一チェックしていますし、各球団の選手たちの能力を把握していることも強みです」
中日が再び常勝軍団を目指すには、長期的なビジョンが必要になってくる。次期監督を指導者として育てるビジョンも必要だろう。立浪監督は2009年に現役引退し、12年間ユニフォームを着ないで中日の監督として戻ってきたが、ネームバリューでチームを立て直せるほど甘い世界ではないだろう。矢野氏、ラミレス氏など外部招聘した監督の下で、未来の監督候補がコーチに就任し、野球のイロハを学ぶ。他球団を見渡すと、かつてのスター選手がコーチとして経験を積み、内部昇格で監督に就任したケースが多い。中日も見習うべきではないか。