自民党の女性局の議員らによるフランス研修に批判的な声が高まっている。松川るい議員がSNSに投稿した“エッフェル塔ポーズ”をする写真に、ネット上で「観光旅行のようだ」との声が出ているのだ。作家の甘糟りり子さんも議員らの行動に疑問を投げかける。
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Twitter改め Xでアトランダムにいろいろな投稿を流し読みしていたら、ある投稿に目が止まった。
「女性局メンバー38名、無事にフランス到着!! #フランス #自民党 #女性局」。自民党の今井絵理子議員が7月24日に投稿したものだ。秋田や福岡の被災地ではいまだに生活がままならない人がたくさんいる今、旅費の高い時期にわざわざ大規模な暴動が起きているパリまで大勢で何をしに行ったのだろうと不思議に思った。続けてスクロールしていると、同じく自民党の松川るい議員の投稿が現れた。それにはエッフェル塔の前、赤い文字で「自民党 女性局」と書かれた横断幕とともに30人ほどで記念撮影した写真、女性3人がエッフェル塔の前で笑いながら、塔に見立てて両手を頭の上で合わせている写真があった。
これ、観光旅行ではなく研修旅行の模様だそうである。国会議員4名と地方議員、民間人の女性幹部による「研修」とのこと。
ちなみに、記念写真の横断幕には「女性局」の文字の他、ハートマークのような赤いロゴもあって、「女性=赤、ハート」みたいな旧態依然としたセンスを女性側が押し付けられないようと動く組織ではないことがわかる。むしろ嬉々としてそれを受けいれている人たちかもしれない。
研修という名の親睦旅行?
研修旅行というからには、旅費は税金から支払われているのだろう。受け取る側は当然そう思う。仮にエコノミークラスとして JALだとシャルル・ド・ゴールと羽田の往復便で約20万円、38人分だと空港税は別として飛行機代だけで最低760万円だ(単なる偏見だけれど、国会議員はエコノミークラスには乗らないような気がする)。帰国は28日だったようで、円安の折3泊分の宿泊費や滞在中の食費など、38人分の旅費がいくらかかったのかとつい考えてしまう。
電気代の高騰で酷暑の中エアコンを使うことためらって熱中症で命を落とす高齢者や値上げの嵐で食費にも困る母子家庭がいるのに、はっきりいって急を要するわけでもない研修という名の親睦旅行に行き、嬉々として楽しそうな様子をSNSにアップする政治家ってどうなのよ。Twitter改めXの画面を見ながら、そんなことを思った。
同じように感じた人は多く、当然のことながら批判の嵐となった。今井絵理子議員がまずしたことは、自分宛に送られてきた「税金使って旅行はどうですか? 早く死んでほしいです」というDMのスクショをわざわざあげて、「(自分はいいけれども)世の中にはその言葉に悩み、苦しみ、思い詰める人もいます。SNSの発言には気をつけなければいけないですね」と投稿することだった。死んでほしいなどとは誰に対してでもいうべきではないのは当たり前けれど、そこをピックアップして自分への批判をずらそうとしているようにしか思えない。 SNS の発言には気をつけた方がいいのは誰なのか。