8月3日、第105回全国高校野球選手権の「組み合わせ抽選会」が行なわれた。2023年の夏の甲子園に出場する代表全49校の対戦カードが決まり、8月6日に始まる初戦は「土浦日大(茨城)VS上田西(長野)」になった。今夏は地方大会で、多くの波乱が起きたことも話題になった。大阪桐蔭(大阪)、智辯和歌山(和歌山)、明徳義塾(高知)など有力校が相次いで姿を消したからだ。さらに、強豪ひしめく神奈川では「横浜VS慶応」の決勝戦で審判の判定が物議をかもすこととなった。全国紙のスポーツ担当記者が言う。
「地方大会ですが満員御礼で立ち見がでるほどでした。試合は両校譲らぬシーソーゲームでしたが、横浜が2点リードしたまま9回の慶応の攻撃を迎えた。ノーアウト1塁の場面で慶応の選手の打球は二塁正面に飛び、併殺かと思われたが横浜のショートの選手が二塁ベースを踏まず一塁へ送球したと判定され、オールセーフになった。横浜側は審判に説明を求めましたが、判定は覆らなかった。そして、直後の打者が逆転3ランを打つ劇的な展開で慶応が甲子園の切符を掴みました」
春のセンバツでも男子校は2校だけ
審判の判断の正否はわからないが、横浜高野球部のOBから苦言が出るなどしたこともあって注目を集めることとなった。そんな話題を呼んだ試合だったが、SNS上などではもう1つ注目を集める話題があった。それが横浜高校の応援席に女子チアリーダーや女子学生が応援に訪れていたことだ。松坂大輔らを輩出した同校は男子校だったが2020年に共学化。今では黄色い衣装に身を包んだチアリーダーによる応援も名物になっている。
野球は汗にまみれて坊主頭──そんなイメージも今や昔、男子校の数も減って横浜のように強豪校で「共学化」する学校も増えてきている。今夏の甲子園出場校を見ても、男子校はたったの1校だけ。そして、その学校こそ横浜に競り勝った慶応だ。
「今大会の49校で男子校が1校だけというのは、これも時代なんでしょうね。今春のセンバツでも男子校は慶応と報徳学園(兵庫)の2校だけでした。慶応は選手の髪型が自由だったり、系列の慶応女子高のチアリーダーが応援に駆け付けるので意外かもしれませんが、今時珍しい学校と言えるのかもしれません」(同前)
今夏のヒーローたちはどんな戦いを見せてくれるのか。