女性議員たちのフランス視察が“海外旅行気分”と大炎上しているが、氷山の一角だ。この夏だけで衆参合わせてのべ55人もの国会議員が、ヨーロッパなどの人気国を“視察”という名目のもと、旅していたのだ。
ご苦労様という意味
「エッフェル塔」ポーズ写真が炎上した松川るい・参院議員を団長とする自民党女性局の女性議員ら38人のフランス海外研修。「血税で観光旅行」と批判されると、松川氏は「党費と各参加者の自腹で捻出しています」と釈明に追われた。
フランス視察の自己負担は国会議員30万円、地方議員他は20万円とされ、それを超えた費用は自民党が負担した。
自民党幹事長室は、「女性局の海外研修の党負担分は国民の税金である政党助成金からは支出しておりません」というが、自民党の資金は献金や国から配分される政党助成金と立法事務費などからなる。カネに色はついていないのだから、「税金は使っていない」という説明は苦しい言い逃れだ。
女性局の“大名旅行”は氷山の一角にすぎない。旅費から食費まで丸ごと税金で賄われるのが衆議院と参議院が派遣する海外視察だ。
コロナで渡航が制限されていた昨年はゼロだったが、その鬱憤を晴らすかのように、この夏は海外視察が目白押し。別掲のリストは、今年4月以降(7~8月)に派遣された衆参の公式視察団をまとめたものだ。衆参13グループに分かれて55人の議員がのべ19か国を回り、ほぼすべての政党が参加している。リストには入れていないが、8月以降も多くの海外視察が計画されている。
今年度の議員海外派遣の予算は衆院3億7300万円、参院1億2600万円で合計4億9900万円にのぼる。