「なめたらあかん~」──誰もが一度は耳にしたことがあるこのフレーズは、天童よしみ(68才)が歌うノーベル製菓の「VC-3000のど飴」のCMソングだ。商品が発売されたのは1997年。当時の天童は『珍島物語』が自身初のミリオンセラーを記録し、キーホルダー「よしみちゃん人形」が女子高生たちの間で“魔除け”としてブームになるなど、ブレーク。
CMに起用されたのは、翌年の1998年。下積み時代が長かった天童の人生とフレーズがダブっているようでもあり、また彼女の伸びやかな歌声のおかげで商品も大ヒットした。
「天童さんがクレオパトラや桃太郎に扮したり、ロックバージョンになったりと、CMでのコスプレも話題になりました。昨秋からは『平安絵巻』篇が放映され、十二単で登場しています」(広告代理店関係者)
しかし、長らく親しまれてきたCMに、今秋、大きな変化が訪れる。
「この秋を区切りに天童さんがCMを降板することになったんです。CM出演がちょうど25年の節目を迎え、ひとつの切り替えのタイミングということになりました。後任は男性アイドルグループに決まっており、すでにCM撮影も済んでいます」(前出・広告代理店関係者)
1972年のレコードデビューからすでに半世紀を過ぎたが、天童はいまもコンサートを精力的に行い、全国を回っている。一方、私生活では下積み時代にマネジャーとして支えてくれた母・筆子さん(90才)を、献身的に介護する日々が続いている。
「5年ほど前に自宅で転倒して、一時期は車いす生活を余儀なくされました。お母さんをひとりにさせたくないという思いが強いのでしょう。天童さんは、東京と大阪に自宅兼事務所を構えています。仕事のあるときに一緒に行き来するのはもちろん、地方巡業にお母さんを連れて行くこともあったそうです」(芸能関係者)
とはいえ、天童も70才近く、老老介護は心身ともに厳しくなっていくことだろう。
「降板は苦渋だったと思います。CM出演は、継続的にギャラが入ってきますから、“辞めたらあかん~”と助言する人はいたでしょう。でも、あのCMがお茶の間に人気者として天童さんの認知度を高めたのは事実。子供から年配までみんな口ずさめますからね。天童さんとしては、感謝の気持ちの方が大きいと思います」(前出・芸能関係者)
あの「名フレーズ」は、後任の男性アイドルグループにそのまま受け継がれるという。
※女性セブン2023年8月17・24日号