ドラマ『この素晴らしき世界』(フジテレビ系)で主演を務めるほか、『大富豪同心3』(NHK BSプレミアム)と『初恋、ざらり』(テレビ東京系)、『科捜研の女』(テレビ朝日系)など、7月クールの連ドラに4本も出演する超多忙の若村麻由美(56)。
「『この素晴らしき世界』は鈴木京香さん(55)が主演の予定でしたが、クランクインした5月に体調不良で急遽降板。鈴木さんと同じ50代で調整が進められました。稲森いずみさん(51)や高島礼子さん(59)などの名前が挙がり、最終的に引き受けたのが若村さんでした」(テレビ誌記者)
若村が演じるのは、スーパーのパート主婦がひょんなことから大女優になりすます一人二役の難役だが、自然体の演技で視聴者の評判は上々だ。彼女が撮影現場で心がけていることがあるのだとドラマ関係者は言う。
「無理に座長らしく振る舞うというよりも、もともと連携の取れていた共演者やスタッフと息を合わせるように撮影に臨んでいます。とにかく元気で笑顔。若村さんのその雰囲気が、降板騒動でてんやわんやだった現場を明るくしてくれました」
若村は1987年のNHK連続テレビ小説『はっさい先生』で応募者723人のなかから主演に抜擢。その時、彼女は演技を始めてたったの2年しか経っていなかった。その後1989年にNHK大河ドラマ『春日局』、1991年には同じく大河ドラマ『信長』に出演し、順調に女優の階段を登っていった。
2003年、宗教団体「釈尊会」の教祖・小野兼弘氏と入籍した時は世間に衝撃を与えた。2007年に小野氏が死去し、以後、女優業を本格的に再開。ここにきての“再ブレイク”について芸能関係者が語る。
「局からすると非常にオファーしやすい女優さんなんです。ベテランならではの演技力を持ち、かといって大御所すぎない。主演も脇役もこなせる実にちょうどいいポジションにいる。
仕事へのスタンスも素晴らしい。仲代達矢さんの『無名塾』で叩き上げられただけあって、仕事を選びません。仲代さんから“役者は生涯修業”の教えを叩き込まれた若村さんは、『指名されたら、常にありがとうございますの精神』だと公言してきた。この受け身のスタンスがいまのブレイクを支えているのでしょう」
※週刊ポスト2023年8月18・25日号