酷暑の中でプレーを続けなければならない理由はあるのか──。8月6日に始まった『全国高等学校野球選手権大会』は暑さとの戦いにもなっている。開幕日の第1試合の土浦日大(茨城)対上田西(長野)では計3選手が足をつり、途中交代した。大会本部は第1日の第2試合終了までで、6人に熱中症の疑いがあると発表した。
「昔と比べて気温が上昇しているのに、真夏の昼間に試合を組む必要があるのか。NHKは全試合を中継しながら、画面上のテロップで熱中症の注意を喚起していますよね。大きな矛盾を感じます」(テレビ局関係者)
日程の詰まった甲子園での投球過多が投手の故障を誘発しかねないと指摘されるなど、以前から高校野球は問題を抱えてきた。近年、球数制限やタイブレーク制度が設けられるなど改革が進んでいるが、真夏のデーゲームは同じままだ。
「今大会では、5回終了後に10分間のクーリングタイムが導入され、選手たちはベンチ裏のクーリングルームに移動し、水分摂取をしたり身体を冷却できるようになった。ただ、その程度では熱中症対策として不十分でしょう。
涼しいドーム球場での開催にすればいいという意見もありますが、甲子園は選手にとって特別な場所ですから、球場の変更は考えづらい。時期を秋にズラすのも、学校の授業があるため難しいでしょう。暑さ対策として、昼間と比べて涼しいナイター開催が現実的ではないでしょうか。そうすると、今のような1日4試合は無理になりますから、期間を長めにする必要が出てきます」(スポーツライター。以下同)