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脊柱管狭窄症、手術が必要なのは1割程度 それでも手術を受ける際に気をつけるべきポイント

「脊柱管狭窄症」の治療はどう進める?(イメージ)

「脊柱管狭窄症」の治療はどう進める?(イメージ)

 全国で580万人が悩んでいるとされる「脊柱管狭窄症」。長期にわたる腰の痛みとの付き合いに加えて、薬や注射による治療も苦労が多い。そうした症状を改善すべく、医師から手術を勧められることもあるが、すぐに飛びつくのは早計だ。

手術は「10人に1人」!?

 都内に住むAさん(85)は3年前に「脊柱管狭窄症」の手術を受けた。

「その数年前から腰に違和感を覚え始め、歩くと時々強い痛みが生じるようになりました。湿布を貼ったり整体に通ったりして何とかごまかしていたんですが、次第に痛みに耐えられなくなって整形外科を受診したんです。すると、『脊柱管狭窄症が進行しています。治すには手術するしかありません』とお医者さんに告げられました」(Aさん)

 そこでAさんは全身麻酔で腰椎にボルトを2本入れて、椎間板を固定させる方法を選んだ。

「手術は『成功した』と言われ、1か月ほどリハビリをしました。でも受ける前と後で症状はほとんど変わらず、痛みは今も続いています。それをお医者さんに相談したら今度は『再手術も考えるべきかもしれません』と言われて……。いったい何のためにメスを入れたのか、後悔しています」(Aさん)

 脊柱管狭窄症は、背中を縦に貫く神経の通り道である「脊柱管」が、加齢とともに狭くなることで神経や血管が圧迫され、足腰に慢性的な痛みやしびれが生じる症状だ。推定患者数は約580万人で、60歳以上の10人に1人が該当するとされる。徳島大学医学部運動機能外科学(整形外科)教授の西良浩一医師が語る。

「歩行時に痛みが増し、しばらく休むと引いていく『間欠性跛行』という症状が特徴的です。悪化すると足の麻痺、頻尿や便秘といった排尿・排便障害につながり日常生活に大きな支障をきたす恐れもあります」

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