今年のお盆休み、テレビ各局はどんな番組を放送するのか――。そのラインナップを見てみると、「バトル」をテーマに番組が多いことがわかる。いずれも、それぞれに趣向を凝らした異色バトルの番組と言っていい。こうした番組を放送する狙いとは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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お盆連休中の12日夜、民放各局のバラエティ特番で3つの異色バトルが放送されます。
まず日本テレビは、『ダウンタウンvs Z世代!ヤバイ昭和あり?なし?』(19時~21時54分)を放送。昨年お盆8月13日と今年2月4日に放送された大型特番の第3弾で、ダウンタウンら昭和世代と若手タレントのZ世代が「ヤバイ昭和」をめぐるトークバトルが行われます。
次にTBSは、『熱狂マニアさん!即席麺マニア大終結!日本VS韓国…インスタント麺No.1決定戦』(18時51分~21時)を放送。マニアたちが厳選した日韓の「今食べるべき最強インスタント麺」を次々にピックアップしていくようです。
さらにフジテレビは、『新しいカギ 学校かくれんぼin沖縄 真夏の真剣勝負SP』(19時~21時)を放送。「学校かくれんぼ」は昨年11月から放送されている現在のメイン企画で、新しいカギメンバーとゲスト芸能人が学校に隠れて生徒たちと戦う臨場感たっぷりのゲームが人気を集めています。
日本テレビが「昭和VS Z世代」でトーク対決、TBSが「日本VS韓国」でグルメ対決、フジテレビが「芸能人VS学生」でゲーム対決という三者三様のバトルが、なぜそろってお盆のこの時期に放送されるのでしょうか。また、“バトル”という構成には、どんな背景や狙いがあるのでしょうか。
「家族・親族で見られる番組」の伝統
なぜ三者三様のバトルがそろってお盆の連休中に放送されるのか。
夏休みの分散化が進んだ今なお、「お盆の時期に休みを取る」「故郷に帰省する」という人は多く、実際に今年も公共交通機関や高速道路などで、旅行や帰省でのラッシュが見られます。また、近年では「お年玉」ならぬ「お盆玉」をもらう子どもがいるなど、依然としてお盆は家族や親族が集まる時期であり、テレビ業界では昔から「盆と正月は家族や親族がそろって見られる番組を放送しよう」と考えられていました。