根尾昴(中日)、藤原恭大(ロッテ)らスター軍団率いる大阪桐蔭が優勝を飾った2018年の第100回全国高等学校野球選手権記念大会。金足旋風の奮闘でも大いに沸いた同大会に、創部してから初めて甲子園のグラウンドに足を踏み入れた公立高校があった。
その甲子園切符を勝ち取ったのが、三重県立白山高等学校だった。教育困難校として悪評が立つなかで、三重県大会で並みいる強豪校を破って番狂わせを起こし「下剋上」を成し遂げたうえでの偉業だった。白山高校の奇跡の快進撃が10月スタートの日曜劇場『下剋上球児』でドラマ化され、NEWSポストセブンの取材で、菅田将暉の弟で俳優の菅生新樹が生徒役で出演することがわかった。
「人口約1万1千人の過疎地にある白山高校は、2007年から10年連続初戦敗退の弱小チームでした。3年生の生徒の多くが第一志望の高校に落ちて入学していたそうで、一時は野球部員が5人しかいなく、廃部寸前の危機にありました」(スポーツ紙記者)
しかし、東拓司監督(当時)が2013年に同校に赴任したことで野球部は大きく変わる。荒れ果てたグラウンドを生徒らと整備するところからチームを立て直した。
「2018年はノーシードから勝ち上がって白山高校が甲子園出場を決めると、荒れた球児たちが甲子園を目指す野球漫画の現代版『ルーキーズ』として話題となりました。甲子園では一回戦で強豪の愛工大名電(愛知)に10対0で負けましたが、超満員のアルプススタンドにはバス50台で約2000人の白山町民が応援に駆け付けました」(同前)
白山ナインの雄姿から5年──。白山高校のあの熱かった夏が、これまでになかった野球シーンを再現してドラマ化されるという。