芸能

囲碁将棋がTHE SECONDを振り返る「前日、声が出なくなった」「東野幸治さんが根建のケツを叩いて…」

THE SECONDでベスト4に進出した結成19年の囲碁将棋(撮影/山口京和)

THE SECONDでベスト4に進出した結成19年の囲碁将棋(撮影/山口京和)

 結成16年以上の漫才師による漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」は芸人やお笑いファンの間で大きな盛り上がりを見せた。中でも優勝したギャロップと、結成19年の囲碁将棋が戦った準決勝は、観客審査の得票が同点で“事実上の決勝”とも評された。惜しくも敗れた囲碁将棋の2人が、ベスト4漫才師への連続インタビューに応えた。(聞き手/中村計=ノンフィクションライター、『笑い神 M-1、その純情と狂気』著者)【前後編の前編。後編を読む

 * * *

──文田さんはTHE SECONDに臨むにあたって「とにかく次の大会につなげたい」と話していましたが、そういう意味では、これ以上ない結果になりましたよね。放送後、こんなに評判がよかった賞レースってなかなかないじゃないですか。

文田大介:スタッフたちの熱量がすごかったですからね。実は、僕らは決勝に残ったら「セコムしてますか?」というセリフを連発するネタをやる予定だったんです。ただ、あの番組のスポンサーにALSOKがついていて。

──各組とも決勝に残ることを想定して3本ぶん、事前にネタの台本を制作サイドに提出していたんですよね。

文田:そうなんです。ただ、僕らは、全部のネタを台本に起こすのが大変だったので代わりに動画を提出しました。その上で、本番ではこんなボケを足す予定ですっていうメモ書きも添えて。僕は最初、コンプラ(イアンス)チェックのための台本提出だと思っていたんです。最近のテレビはコンプラに厳しいので、危ないワードがあったら事前に言われるんだろうな、と。でも、そんなのは1つもなくて。後から聞いたら、ALSOKの人に許可を取っといてくれたそうなんです。「セコムしてますか?」というセリフがあるのですが、どうかご容赦ください、と。

──そんなこと、してくれるものなんですね。テレビの世界って、もっとビジネスライクというか、そういうことに関してはお役所的な対応をするものなのかと思っていました。スポンサーは絶対で、ダメなものはダメなんだ、と。

文田:M-1のスタッフもその点は、熱かったですよ。ある大会で、ファミマがスポンサーについていたので「ファミマ以外のコンビニの名前は出さないでください」って書いた紙が控え室に張り出してあったんです。そうしたら、後からスタッフが入ってきて「交渉してきたので、ファミマ以外のコンビニ名も出していいです!」って。コンビニの名前を言うコンビがそんなにいるわけじゃないんですけど、そこまでしてくれるというのは芸人からしたら嬉しいじゃないですか。

──お笑いの賞レースが成功するか否かは、芸人に「この制作スタッフの前では手を抜けない、嘘はつけない」って思わせるかどうかですもんね。

文田:スタッフの熱が芸人に伝播しますよね。ただ、そのことを僕らがラジオでしゃべったら、フジテレビのスタッフに、僕らのがんばりを褒めてもらえるのは嬉しいんですけど、他の番組との兼ね合いもあるので、あんまり言わないでくれると助かります、って言われちゃいました。つまり、どのネタ番組でも、そこまでしてくれるわけではないので、それが当たり前と思われると、ちょっと具合が悪いのかもしれません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン