パートナーと出かける加賀(写真は2020年)

わたしはわたし、他の誰でもない

 竹を割ったような性格と女優としての実力を持つ加賀は、多くの名女優に慕われている。その筆頭が天海祐希(56才)だ。天海といえば、宝塚歌劇団で当時の史上最年少でトップスターに上り詰め、退団後もテレビや映画で活躍する、姉御肌で“サバサバ系”の女優だ。加賀が雑誌に連載していたエッセイに感銘を受けた天海は、京都の撮影所に居合わせた加賀に“言い寄った”という。

「2人は別々の作品に出演していたのですが、加賀さんの姿をみかけた天海さんは、別のスタジオで撮影していた加賀さんのもとへと猛ダッシュ。初対面にもかかわらず、『天海祐希と申します。雑誌の連載が好きで、いろいろな話が伺いたいです!』と声をかけると、加賀さんはうれしそうにニコッと笑って、『あんた、珍しいわね。東京帰ったらご飯食べる?』と返してプライベートの交流が始まったそうです。この“ナンパ”について天海さんは、『ここで声をかけなかったら一生後悔すると思った』と振り返っています」(テレビ局関係者)

 20才以上の年の差がありながらも意気投合した2人の交流は20年にも及び、いまや互いに私生活を相談しあう仲になった。

 加賀を慕うもうひとりの女優が内田有紀(47才)だ。2人が初めて会ったのは内田が17才のとき。それ以降、内田が出演する作品は加賀が必ずチェックしているという。

「よい芝居ができているときは感想を伝えるメッセージが届き、あまり出来がよくないときは『うまくいってないね』と短いメッセージが届くそうです。加賀さんが自分の経験をもとに『こうしたらいいんじゃない』とアドバイスすることもあると聞きます」(前出・テレビ局関係者)

 内田は2002年に吉岡秀隆(53才)と結婚して芸能界を引退するも2005年に離婚。翌年、女優に復帰した彼女を見守り続けたのも加賀だった。

「芸能界に復帰するか悩んでいた内田さんに、加賀さんは『やるからには本当に覚悟してやりなさい』とハッパをかけて後押ししました。内田さんが大河ドラマ『西郷どん』(2018年・NHK)に出演することが決まった際は、加賀さんが自らNHKの衣装部に電話をかけ、内田さんの体形の特徴をあれこれ伝えたそうです。面倒見がよく、明快な加賀さんのことを、内田さんは“カッコよくてウソをつかない芸能界のお母さん”と尊敬しています」(前出・テレビ局関係者)

 若い頃から時代や他人の目を気にせず、自分がやりたいように行動し道を切り開いてきた加賀は、多くの女性にとって憧れそのものなのだ。

 斉藤は新曲について、「自分らしく生きようとする女性の姿を曲にしようと思いました」と解説するが、そんなときに加賀の生き様を思い浮かべたのも当然かもしれない。価値観が多様化し、周囲の目よりも自分らしさを大切にする人が増えた現代。間もなく傘寿を迎える加賀の自分を貫く生き様が、多くの女性に響くのは必然なのだろう。

※女性セブン2023年9月7日号

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