「似たような女性客は年代を問わずにいらっしゃいます。プールサイドでトップレスになっているのに、注意しにいくと悲鳴を上げられてセクハラ呼ばわりする女性、周囲に中高生がいるのに更衣室でないところで急に素っ裸になって水着に着替える女性などです。相手が男性ならビシッと注意できますが、女性は難しい。男性スタッフならなおさらです」(金田さん)
こうした女性にまつわるトラブルに介入しやすくするため、若い女性スタッフも増員した。ところが、似たような迷惑客は減るどころか増えていると金田さんは表情を曇らせる。ついには男性客からは「ここは女のための施設か」と捨て台詞を吐かれるような事態にまで発展しているが、現状を打開する具体的な手立ては「思いつかない」とうなだれる。
「権利といわれればそうかもしれません。でも、気まずそうに横を通り過ぎる小さな子連れのお客さんや、中高生の集団などを見かけると、せっかく楽しかったはずなのに、気分を台無しにされているのが気の毒でかわいそうです」
過激な水着の男性客による迷惑行為
東京都内の公営プール管理人・宮崎洋美さん(仮名・50代)は、冒頭で触れた「水着撮影会の中止」騒動を見て、胸をなで下ろした。宮崎さんが勤務する公営プールでも過激な水着を着た人をめぐる迷惑行為が横行し、客には個別に注意を促してきたが、客から「権利」とか「自由」などと言われて、結局は見過ごすしかできなかったと振り返る。
「女性で過激な水着を着られる方が、毎回やってきては不特定の男性客から見られた、盗撮されたと仰るので、せめて水着を控えめにしてくださいとお願いしたことがありました。しかし、どんな水着を着ようと自由、露出度の基準を教えろと凄まれてしまいました」(宮崎さん)
似たような自分勝手な論理を振りかざすのは、何も女性だけではない。露出度の高い水着を着た男性客らの存在も、宮崎さん達を大いに悩ませる。
「陰部だけがギリギリ隠れているようなきわどい水着や、おしりが完全に出てしまっているような小さな水着を履いてやってくる男性客がいます。プールにも入らずウロウロしたり、わざと露出部を客に見せつけるように寝転んだりして、お客さんからクレームが入るんです」(宮崎さん)