阿部寛の俳優デビュー当時はどうだった?(写真/AFP=時事)

阿部寛の俳優デビュー当時はどうだった?(写真/AFP=時事)

 再ブレークを果たした後も映画『テルマエ・ロマエ』(2012年)や『下町ロケット』(2015年、TBS系)など人気作で活躍を続ける阿部。その背後にはたゆまぬ努力があるようだ。

『下町ロケット』でも阿部と共演した俳優・谷田歩(48)には、忘れられないエピソードがある。撮影の合間に同ドラマのオンエアを見ていた阿部は真剣な表情でこんな質問を投げかけた。

「おい、今の俺、何言っているかわかったか?」

 谷田が語る。

「普通だったら10歳も年下の俳優にそんなこと恥ずかしくて聞けませんよ。阿部さんは滑舌があまりよくないことを気にしていましたが、プライドなんて関係なしで作品が良くなることだけを追求している。舞台でご一緒した時も誰よりも早く来て発声練習をしていました。今回のドラマも自分が何を求められているかわかっている。本当に尊敬する先輩です」

 2022年に映画『異動辞令は音楽隊!』で共演した小沢はこう語る。

「モデルから役者になるのには相当苦労したと思う。だけど、この業界では報われない奴もごまんといるなか、寛がここまで大きくなれたのは、それだけ努力と発想の転換を繰り返しやってきたからだと思う。自分の信念を曲げずに積み重ね続けているんだろうね」

 これから佳境に入る『VIVANT』だが、阿部の熱演からますます目が離せなそうだ。

(了。前編から読む

※週刊ポスト2023年9月8日号

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