1923年(大正12年)9月1日 午前11時58分、神奈川県西部、深さ23kmで発生した関東大震災は、マグニチュード7.9、最大震度6を記録した。当時の震度階級は震度0から震度6までの7階級だったが、相模湾沿岸地域や房総半島南端の家屋の倒壊状況などから、実際には現在の震度7相当の揺れであったと推定されている。
それから100年。オリジナルのフィルムをデータ化し、AIを活用した彩色技術によって色処理を行なうことで、未曾有の被害の実態がよりくっきりと浮かび上がる。
大量の映像が残された記録すべき国民的大事件
近代日本の災害史に深く刻まれる未曾有の災害は、1923年9月1日に発生した。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県と広範囲で震度6を観測。台風の影響で強風が吹いていたその日、東京市では130か所以上で出火した。死者・行方不明者は10万人を超え、被災した住家は約37万棟におよび、明治以降の地震被害としては最大規模となった。
当時撮られた記録映画をウェブ上に公開しているのが、映画の保存・研究などを手掛ける国立映画アーカイブだ。震災から100年を迎える9月1日までに、所蔵するすべての震災関連フィルムの公開を目指すという。
「鮮明な映像が大量に残されていることは、国民にとって関東大震災が記録すべき大事件だったことを裏付ける、何よりの証拠だと考えています」(国立映画アーカイブ客員研究員・とちぎあきら氏)