「原作が発表された7年前、作品に惚れ込んだ佐藤さんは、原作者で映画のプロデューサーでもある、川村さんに熱烈な感想を送ったそうですよ。長年親交のあるおふたりですが、佐藤さんは『川村さんの小説の中でいちばん好きだ』とおっしゃっていたとか」(映画関係者)
来春公開予定の映画『四月になれば彼女は』。先日、佐藤健(34才)や長澤まさみ(36才)ら主要キャストが発表になったばかりだが、撮影は2年ほど前からはじまり、昨秋頃には撮り終わっていたという。原作は日本映画が誇るヒットメーカーで、作家でもある川村元気氏(44才)。著作のほとんどが映画化されている川村氏だが、今作の映画化には紆余曲折があった。
「早い段階で映像化の話はありましたが、ボリビアのウユニ塩湖やチェコのプラハ、アイスランドなど、原作の舞台が世界中に広がっていて……。この世界観を忠実に表現しようとすると海外ロケは必須で、予算も含めそこが最初の関門でした。さらに、時期的にコロナ禍が重なったことで、撮影スケジュールを組むのにかなり苦労したそうですよ。そうした要因もあり、原作の発表から7年経っての映画化となったようです」(前出・映画関係者)
ラブストーリーとしては、過去最大級のスケールといわれる今作。4月のある日、結婚を間近に控えた佐藤演じる主人公の精神科医のもとに、かつての恋人から手紙が届く。時を同じくして、長澤演じる藤代の婚約者が突然姿を消してしまい、藤代が世界各国を舞台に、愛する人の真実の姿を探し求める、という物語だ。
「佐藤さんと長澤さんは意外にも初共演となりますが、クランクイン後すぐに意気投合していましたね。共通の知人が多く話題も尽きないようです。“なんでいままで(仕事で)一緒にならなかったのだろうね”と言っていたとか」(前出・映画関係者)
実際、昨年の春には2人の息ぴったりな様子が目撃されている。
「池袋でのロケに突如現れた2人に道行く人たちが次々と足を止めていました。撮影中は真剣な表情の2人ですが、カットの声がかかると、長澤さんが佐藤さんにボディータッチをして、佐藤さんがにこやかに応じていました。それがすごく自然体なやり取りで、まるで本物のカップルみたいでしたよ」(目撃者)
近年は、より映画に軸足を置いてきた長澤だが、佐藤との共演で新たな刺激を受けたようだ。冒頭の映画関係者のコメントのように、佐藤はこの作品に並ならぬ思いで挑んでいる。
「佐藤さんは、クランクインよりずいぶん前、脚本会議からかかわっていたそうです。“より人物像を掘り下げたい”という意向のようですが、日本の映画ではなかなか見られないケースだそう。そんな佐藤さんの凄みを知った長澤さんも触発され、原作にはない“追加要素”も受け入れた。監督は“長澤さん以外では絶対に成立しなかった”と絶賛しています」(別の映画関係者)
コロナ禍で海外ロケも敢行し、厳戒態勢で2年にわたった撮影。来年の4月になれば、壮大なラブストーリーの全容が明らかになる。
※女性セブン2023年9月14日号