長距離移動のお伴に飲み物やお菓子、お弁当などを、どこで買うだろうか? 駅の売店や近くのコンビニ、プラットホームで、乗車までの時間がなくて車内販売を頼りにするということもあるだろう。それぞれ販売するものに特徴があるときは、限定品が楽しみのひとつになることも。ライターの小川裕夫氏が、東海道新幹線のワゴン販売終了でゆくえが心配される「シンカンセンスゴイカタイアイス」など、鉄道とともにあるグルメの変化についてレポートする。
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2023年8月8日、JR東海は東海道新幹線ののぞみ号・ひかり号車内で実施してきたワゴン販売を10月末で終了することを発表した。今後はグリーン車限定のモバイルサービスへと切り替えられる。すでに2019年2月に東海道新幹線のワゴン販売の縮小を発表していたが、それから約3年半でワゴンサービスは完全に終了となる。
東海道新幹線のワゴン販売は近年、駅ホームの売店や、駅ナカやコンビニを相手に苦戦を強いられていた。しかし、それら競合の店では太刀打ちできない高い人気を誇っていた商品もある。それが、淹れたてのコーヒーと「シンカンセンスゴイカタイアイス」の別称でお馴染みになっていたスジャータめいらく製造のスジャータスーパープレミアムアイスクリームだ。
淹れたてのコーヒーは缶コーヒーなどとは比べものにならいほど、香りが引き立ち味わいも大きく異なる。これは説明不要だろう。
もうひとつのスーパープレミアムアイスクリームは、なぜ人気なのか? コンビニで販売されているアイスクリームとは何が違うのか?
スジャータスーパープレミアムアイスクリームはシンカンセンスゴイカタイアイスと呼ばれているように、硬い表面が特徴だ。その硬さは表面にスプーンが突き刺さらないとか、スプーンが突き刺さったまま抜けなくなって溶けるまで数分間は食べられないといった伝説的な話が広く流布している。
ワゴン販売終了後の「シンカンセンスゴイカタイアイス」はどこへ?
スーパープレミアムアイスクリームは、すぐ食べるのではなく、長時間にわたって乗車する東海道新幹線の車内でゆっくりと味わうことを想定して開発された。また、上質感を出すために、通常のアイスクリームよりも空気の含有量を少なくし、密度を高くしている。そうした製法によって溶けにくくなっている。