放送を重ねるごとに視聴率が高まっているドラマ『VIVANT』(TBS系)。各局で「予算減」が叫ばれる時代に、主役級だらけの豪華キャストをいかにして集めたのか。関係者に総力取材した。
徹底した「役者目線」
日曜劇場『VIVANT』(TBS系)の勢いが止まらない。
中央アジアの架空の国「バルカ共和国」と日本を舞台にテロ組織「テント」や公安警察、自衛隊の影の諜報部隊「別班」などが暗躍し、登場人物たちの思惑が入り乱れる。息を呑むような展開の連続に毎週日曜が待ちきれない人も多いことだろう。このフィーバーにTBSも沸いているようだ。
「古参の局員からは、『ドラマのTBSが完全復活だ!』という喜びの声が聞こえます」(TBS局員)
成功した要因の一つが豪華キャストだ。堺雅人(49、乃木憂助役)、阿部寛(59、野崎守役)、役所広司(67、ノゴーン・ベキ役)、といった日本を代表する俳優が顔を並べている。
原作・演出を手掛けるのはTBSドラマ監督の福澤克雄氏(59)。堺が主演を務めた『半沢直樹』(2013年)をはじめ数々の人気ドラマを世に送り出した“敏腕”で知られる。今作に豪華俳優が結集したのも、福澤監督の力が大きいという。
「福澤さんは福澤諭吉の玄孫で、幼稚舎から大学まで慶応という名家の出。高校時代はラグビー日本代表に選ばれ、190cmの身長から“ジャイさん”と呼ばれています。実力と情熱を備えた福澤さんの作品に喜んで参加する俳優は多い。特に今回は企画が壮大になるという話もあって、出演をすぐに承諾した人が多かったと聞いています」(前出・TBS局員)