人の受け売りではなく、自分自身が見て、聞いた情報で物事を判断することが信条と語る、杉良太郎。現場を見て実践することを徹底し、さまざまな活動で全国を飛び回る。そんな杉の姿は8月22日、神奈川県庁にあった。
この日は神奈川県の黒岩祐治知事と懇談。2012年に発足した「知って、肝炎プロジェクト」の積極的広報地域に今年度は同県の藤沢市が指定されていることもあり、厚生労働省健康行政特別参与として牽引するプロジェクトの一つであるウイルス性肝炎の正しい知識普及、そして早期発見と早期治療に向けた対策活動への協力を仰いだ。
「ウイルス性の肝炎はおかげさまでだいぶ減ってきましたが、一方でアルコール性肝炎や脂肪肝が増えています。沈黙の臓器と言われる肝臓は痛みが出づらく、肝硬変や肝脂肪の状態に陥っていてもなかなか自分で気付かない。がんになってからでは手遅れなんです。自分の健康に責任を持つことを怠ってはなりません。体の声に耳を傾ける意識をひとりひとりに持っていただきたい」
実感のこもった杉の呼びかけを受けて黒岩知事は、こう答えた。
「肝炎ウイルスを早期に検査・治療できる体制をしっかり整えると同時に、生活習慣の改善で肝疾患にならない体づくりをする働きかけも、県として力を注いでいきたい」
神奈川県によれば、県内の肝疾患の患者数は2018年に3万4000人に上り、そのうち年間で約2000人もの人が肝がんになっているという。県内の肝がんの死亡者数を見ると2020年には1476人と、都道府県別で全国ワースト3位だった。
黒岩知事が言うように、肝炎ウイルスの早期発見、早期治療の体制づくりと共に、常日頃から肝疾患にならない健康な体づくりを意識してもらうことは非常に重要である。