ホッと一安心かと思いきや、所属球団から下された処分は厳しいものだった。西武ライオンズの山川穂高(31才)が知人女性への強制性交の疑いで書類送検された件は、嫌疑不十分で不起訴処分となったが、球団は山川を無期限の出場停止処分にすることを発表。選手会は先日、山川の早期復帰を求める声明を発表したが、今季中の復帰は厳しい状況だ。
「嫌疑不十分での不起訴処分とは、山川が“シロ”だったという意味ではなく、今後、女性側の申し立てで“不起訴不当”となる可能性はある。また、女性側は示談金として1億円を提示したと報じられており、民事で損害賠償を請求してくることも考えられる。早々に復帰させて、後に起訴されるようなことになったり、巨額の支払いを命じられるようなことになれば、球団が厳しい批判にさらされるのは確実で、無期限の出場停止処分は妥当な判断でしょう」(メディア関係者)
山川は昨年、ホームラン王を獲得し、WBCメンバーにも選出。順調なら今季中にFA権を取得し、巨額契約が確実視されていたが、夢と吹き飛んだ。9年の選手生活で3度の本塁打王に輝いた日本の主砲は、このまま“飼い殺し”になってしまうのか。
「今季の西武は山川の離脱もあってボロボロ。投手陣は何とか頑張っていますが、山川が抜けた穴はまるで埋まらず、目に余る貧打線で最下位に沈んでいます(9月4日終了時点)。山川は昨年オフ、球団からの長期契約の提示を断って単年契約を結んでおり、FA移籍する気満々でしたが、今季終了まで出場停止なら、FA権取得には17日足りません。ですから基本線は“来季も西武”です。
西武は資金力に乏しく、FA移籍する選手の引き止めをしないチームですが、山川は今オフにFA移籍は出来ませんし、年俸も大幅ダウンは確実。松井稼頭央監督としては、チーム復活の為には長打力のある4番は絶対に必要で、来季は山川を使い倒すしかないでしょう。本人としても、大減俸を受け入れて野球に精進し、好成績を残せば、堂々とFA移籍出来るのですから、チームに残るのがベストです」(フリーのスポーツライター)
もっとも、本人はすでに西武に残る気はないという説は根強い。
「球団は当初、示談を勧めたようですが、山川はそれを断った。山川は『性行為はあったが、無理やりではなく同意があった』との主張を崩さず、『俺は来年、ここにはいないから』など、西武ファンが落ち込むような発言が次々と報じられています。そうなると、暴行事件で処分を下された直後に日本ハムから巨人に電撃移籍した中田翔のように、他球団への移籍話が出てきそうです」(ベテラン記者)