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ラグビー日本代表OB・中島イシレリが語るW杯の戦い方「研究されているからこそ“裏を突く”作戦で」

2019年ラグビーW杯では“松本人志似”と話題にもなった中島イシレリ(撮影/杉原照夫=WEST)

2019年ラグビーW杯では“松本人志似”と話題にもなった中島イシレリ(撮影/杉原照夫=WEST)

 2019年ラグビーW杯で全試合に途中出場し、金髪で“松本人志似”と話題にもなった中島イシレリ(34)が、9月8日に開幕するラグビーW杯フランス大会の日本代表にエールを送る。

 * * *
 ひょっとしたら日本代表はW杯で戦い方をガラッと変えてくるかもしれない。(元ニュージーランド代表のスタンドオフで)アタックコーチのトニー・ブラウンは世界有数の戦術家としても知られているからね。ジェイミー・ジョセフ(ヘッドコーチ)との付き合いも長く、前回大会もともに戦っている。きっと対戦相手は今頃、日本の研究をしているだろうから、その裏を突く作戦だ。

 2019年大会もそれに近いようなことはあった。最近の日本代表はキックを多用していたけど、よりボールを回すような戦術をとる可能性は十分あるだろう。メンバー発表の際には、コベルコ神戸スティーラーズの俺のチームメイト・山中亮平が外れたことに驚いたけど、フルバックで左足のキックが魅力な彼が外れたのは、そうした戦術面もひとつの理由かもしれない。

 1次リーグでは第2戦のイングランドが最も強敵だと思われている。ただ、最近はあまり調子がよくないし、勝つチャンスはある。

 そのために大事になるのはスクラムだけど、1勝5敗と負け越した強化試合ではうまくいっていなかったのが気になった。でも、スクラムコーチの長谷川慎さんを中心に本番までには立て直してくるはず。

 4年前の日本大会では、当時世界ランキング2位だったアイルランドにもほとんど押されることがなかったし、逆に相手のペナルティを誘発できて、スクラムで優位に立てたことが躍進につながった。前回出場した選手は、経験も自信もあるし、スクラムと選手のフィットネス次第では、今回も1次リーグ全勝をねらえると思う。そのあとは、どこと対戦するかだけど、決勝進出だって夢じゃない。

 初戦のチリ戦は緊張すると思う。でも、1次リーグを突破するためには絶対に勝たないといけない。それと前回大会の俺もそうだったけど、途中から出場するインパクトプレーヤーがどこまで流れを変えられるかはカギになる。

 俺ももう一度、W杯で戦いたい気持ちは強かった。だからこそ、出場する選手には頑張ってほしいし、W杯でまた日本ラグビーの強さを証明してほしい。

 え? 4年前は金髪だったのに、なぜ違うかって? 脱色して染めていたら、想像以上に髪が傷んじゃって(笑)。せっかく金髪でみんなに覚えてもらったけど、いまは剃っている。もう金髪はいいよ。

【プロフィール】
中島イシレリ(なかじま・いしれり)/1989年7月9日生まれ、トンガ出身。2019年W杯ではスクラム第1列の左プロップとして全5試合に途中出場。お茶目なキャラとしても人気に。

取材・文/栗原正夫

※週刊ポスト2023年9月15・22日号

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