『笑点』(日本テレビ系)の大喜利コーナーの最古参メンバーである林家木久扇(85)が、来年3月をもって同番組を卒業することを発表。その後任が注目されている。
SNSでは候補者として息子の林家木久蔵(47)や柳亭小痴楽(34)、春風亭昇也(41)などの名前が挙がるなか、落語関係者はこう見る。
「多様性が求められる時代ですし、そろそろ女性落語家が起用されるのではないか。有力な候補は蝶花楼桃花(42)や林家つる子(36)ですね」
桃花は春風亭小朝(68)の弟子で昨年3月に真打ち昇進。同年9月には闘病中の三遊亭円楽(享年72)に代わって『笑点』で大喜利を披露しており、彼の後任候補として挙がった。本誌・週刊ポストも円楽の後任本命と報じたが、選ばれたのは春風亭一之輔(45)だった。
後日、桃花は自身が出演する配信番組『はまきんっ』のなかで「やれ大本命だとかなんだとか言うけどさ、私だけは自分じゃないってわかっていたの」と語り、NEWSポストセブンにも登場して「辱めを受けた」と笑わせた。
一方、つる子は来年3月に真打ち昇進が決まっている新星で、大学時代に全日本学生落語選手権「策伝大賞」で審査員特別賞を受賞し、鳴り物入りで落語界入り。林家正蔵(60)に師事している。落語評論家の広瀬和生氏の話。
「人気や実力でいうと桃花さんのほうが有力だと思います。つる子さんが『笑点』に起用されるとなると、真打ち昇進してすぐ『笑点』に出ることになるので考えづらい。その点、桃花さんは多く場数を踏んでいますから」
広瀬氏は『笑点』という番組の変化にも焦点をあてる。
「『笑点』は番組カラーが変わってきています。現在の落語界を牽引するエースの一之輔さんや若手真打の桂宮治さん(46)を起用することで、お年寄りだけでなく若い人にも楽しんでもらえるエッジの効いた“落語バラエティ”作りを狙っているのでしょう。
もしも桃花さんが加われば、さらに新しい風が吹き入れられる。真打ち昇進から史上最速の4か月で興行のトリを務めていますし、『笑点』では機転の利いた大喜利で座布団を獲得。AKB48のオーディションを受けた過去も面白いし、キャラクターが立っていて華やか。今のメンバーに加わっても違和感なさそうですしね。同年代の宮治さんと一之輔さんと桃花さんの若手実力派3人で、『笑点』が生まれ変わるかもしれません」
桃花に話を聞くため取材を申し込んだが、事務所からは「コメントは控えさせていただきます」とのことだった。
※週刊ポスト2023年9月15・22日号