サッカー好きのタレントは加藤さんだけではなく、明石家さんまさん、矢部浩之さん、川平慈英さん、土田晃之さんなどがいますし、野球好きのタレントも中居さんだけではなく、石橋貴明さん、伊集院光さん、出川哲朗さん、亀梨和也さんなどがいます。
それでも加藤さんと中居さんが「顔」となり続けているのは、進行のうまさとバランス感覚。まず台本を進め、ゲストに気を配りながら、番組全体を盛り上げられること。さらに、好きだからこそコアなファン層向けのトークになりやすいところを2人はむしろライト層へのわかりやすさを意識した進行ができることが大きいようです。また、芸人の場合は「笑いをフィーチャーしすぎてもいけない」などのバランス感覚も求められています。
地上波で放送する以上、制作サイドは各スポーツのコアなファン層以外にも見てもらわなければいけないため、老若男女に知られているMCが必要。その点、「10~30代と40~60代の上下両世代から認知されている加藤さんと中居さん以上の適任者はなかなかいない」ことも理由の1つでしょう。
そして制作サイドがもう1つ「重視している」と聞いたことがあるのは、自分の好きなスポーツだけでなく、スポーツそのものへの愛情や、アスリートへのリスペクトを感じさせられる振る舞いができるか。
加藤さんで言えば、17年間MCを務めた『スッキリ』(日本テレビ系)でオリンピックなどの時に各スポーツへの愛情とアスリートへのリスペクトをたっぷり見せてきました。中居さんもTBS系のオリンピック・メインキャスターを務め続けたほか、日本テレビ系でも各スポーツのアスリートと戦う『中居正広の○番勝負』が長年放送されています。単なるサッカー好き、野球好きのタレントに留まらないことが今回のようなスポーツ全体の大型特番への起用につながっているのでしょう。
現在「バスケの顔」は三つ巴か
では、サッカーと野球以外のスポーツには、どんな「顔」となるタレントがいるのでしょうか。
現在ワールドカップが開催されているラグビーは、経験者の上田晋也さんと櫻井翔さんが定着しつつあります。一方、2日の『ワールドカップ カーボベルデ戦』(テレビ朝日系)が今年全局トップの視聴率(世帯22.9%・個人15.3%)を記録するなど盛り上がっているバスケットボールは、まだこれといった「顔」のタレントが定着していません。