9月12日、巨人は首位の阪神に敗れ、3年連続のV逸が確定した。それでも、今季は秋広優人や門脇誠という若手が成長。レギュラーの一角を占める活躍をしており、来季への希望を抱かせている。
「今までなら9月中旬にV逸が決まれば、ファンはもっと怒りの声を上げていたと思います。今年も当然、叱咤する意見はありますが、特に若手の野手が台頭しており、来年に向けて期待できる要素は揃っています。原辰徳監督が坂本勇人をショートからサードにコンバートしたことも大きい。巨人の最近3年の低迷は坂本の離脱とともにあったと言ってもいいほどですから」(プロ野球担当記者。以下同)
2008年から巨人のショートを守り続けてきた坂本は9月7日のヤクルト戦からサードに回っている。その日からチームは5試合で3勝1敗1分と勝ち越し。坂本も17打数6安打の打率3割5分3厘、2本塁打と好調だ(記録は9月12日現在)。
「坂本のサードは応急処置ではなく、来年も続くと見ていいでしょう。一昨年から坂本が故障で離脱するたびにチームは勝てなくなった。坂本がいるかいないで、成績がだいぶ変わってしまう。坂本はレギュラーになって16年目。プロ野球の歴史を振り返っても、これほど長くショートで出続けた選手は他にいない。重労働のポジションを守り続けたツケは、確実に出てきています。それでも、復帰すれば活躍する。坂本が故障せずにシーズンを戦い通せるかが、この3年の巨人の大きな課題でした」
ショートと比べ、サードを守ることになれば体への負担は減る。12月で35歳になる坂本だが、選手寿命の伸びている現代ではまだまだレギュラーを張れるだろう。
「門脇というルーキーの存在が原監督に坂本のサードコンバートを決断させましたね。門脇の守備は既にゴールデングラブ級と言ってもいいですし、打撃も序盤は手こずりましたが、8月以降の成績は打率3割を超えています。走塁でもセンスを見せている。走攻守三拍子揃っており、原監督の望むケガをしない『強い選手』でもある」