大相撲9月場所では、ひとり横綱の照ノ富士が2場所連続で休場。新大関として土俵に上がった豊昇龍は2日目から3連敗と黒星が先行し、カド番大関の貴景勝と霧島も序盤から土がつくなど、三役以上に勝ちっ放しがいない状態となっている。波乱続きで土俵上が白熱するなか、両国国技館の客席も華やかさを増しているようだ。
9月場所の会場となる両国国技館には、これまでネット上で注目を集めてきた「着物美人」の姿もあった。昨年11月の九州場所では、向正面の控え行司のすぐ右隣で毎日違う色の鮮やかな着物で15日間皆勤したと注目を集めた。大相撲を完全中継するABEMAで、この着物美人についての書き込みが相次いだほどであった。
名古屋で開催された7月場所ではその姿は見えなかったが、国技館では初日から西花道に面したマス席に姿を見せた。同じく国技館で開催される1月場所や5月場所でも座っていた席だ。西支度部屋から土俵に向かう力士を声援で送り出し、相撲を終えて花道を引き揚げてくる力士には身を乗り出して拍手を送っていた。
毎日違う着物で登場する「着物美人」だが、連日観戦に訪れている好角家の間でも話題になっているようだ。同じ西マス席に座る初老の女性に聞くと、「着物や帯だけじゃなくて、バッグも着物の色に合わせて毎日違うからびっくり」と話し、こう続ける。
「これまで一度も同じ着物と帯の組み合わせは見たことがありませんが、それだけでなく、持っているバッグも毎日、着物に合わせて変えている。バッグは同じブランドの色違いで、何年待っても買えないといわれるエルメスのバーキンなんです。中古品でも値段が右肩上がりだと聞いていますけど、本当に凄いなと。
9月場所の初日はクリーム色の着物にゴールドの帯。バーキンの色はレッド系でした。3日目に来られた時は淡い紫の着物にエンジの帯で、ブラウン系のバーキンでした。私が見たことがあるバッグだけでも9~10種類のカラーをお持ちだと思います。着物が地味な時はオレンジなどの明るい色で、着物が派手なら紫系を組み合わされている。今日は何色の着物と帯で、どのバーキンの組み合わせか周辺のマス席では話題でもありますよ」(前出の女性)