何度も解散説が持ち上がり、自らも希薄な関係を明かしてきたKinKi Kidsの2人。新体制での再出発に、所属タレントの退所が囁かれる一方、長らく、いまにも割れそうな“硝子”のような危うさの上にいた2人は何を思うのか。
あたりに警戒の視線を投げつけるスタッフに囲まれ、物々しい雰囲気のなか黒のワンボックスカーに乗り込んだのは、KinKi Kids(以下、キンキ)の堂本光一(44才)だった。全身黒のコーディネートで、眉間に刻まれた深いしわには、彼が抱く負の感情がありありと浮かんでいた──。
《被害に遭われた方の事を考えると その方達の人生やこれまで感じてきた恐怖 それは想像を絶するもの 自分なんかには計り知れないものだと思います 恩師だった彼への自分の思いも改めなければなりません》
《矢面に立って下さった東山さんイノッチの覚悟 それを守りたい守らなければなりません》
ジャニー喜多川氏による性加害問題をめぐり、ジャニーズ事務所が会見を開いた翌日の9月8日、光一はブログにそう綴った。今後も事務所をサポートする意志を示しつつ、ジャニー氏や、被害を防ぐために行動できなかった自分への怒りを露わにしたのだ。
「普段は軽妙洒脱な光一さんが、これまでに聞いたこともないような強い言葉でジャニー氏を非難したのには、心底驚かされました。光一さんは、ジャニーズイズムの申し子と呼べるような存在ですからね。ただ、光一さんは主演を務めるミュージカルシリーズなどを通して、若手ジャニーズやJr.と顔を合わせる機会が多く、デビュー組の中では突出しています。
事務所が未曽有の事態に揺れている状況で、曖昧な態度では、後輩たちの不安や混乱は増幅するばかりだとわかっていたのでしょう」(芸能関係者)
冒頭は9月9日の夜、自身が演出を務めるミュージカル『DREAM BOYS』の公演初日を終えた後の光一の様子だ。同作には、20人以上の所属タレントが出演している。光一の厳しい姿勢はブログのみならず、後輩たちの目の前でも示されたのだろう。一方の堂本剛(44才)は、光一とは異なる反応を示した。
《それぞれの想いを大切にしたいと思って今日も生きています その思いを抱き締めながら本日も一緒にいます》
会見2日後の9日に更新したブログはあっさりとした文章で、具体的な言及は避けた。
「詳細かつ長文で自分の思いや怒りを言葉にした光一さんに対し、剛さんは明言を避けた形に。ある意味で“沈黙”を守ったといえます。素直な剛さんは、ストレートに自分の感情を発することも少なくなかっただけに、短い言葉の裏には思うところもあったと思います。
ですが、ジャニー氏から特に目をかけられ、時に“特別待遇”まで許されていた自分が何を語っても、ジャニー氏を擁護していると捉えられかねません。それに、光一さんが自分の気持ちを代弁してくれたとも思っているんでしょう」(別の芸能関係者)
一方、2人の間に距離があると感じたファンもいたようだ。
「希薄な関係が取り沙汰されたこともあるキンキの2人ですが、むしろお互いが普段とは正反対の反応をすることで、それぞれをフォローし合っているようにも感じられます。事務所がすぐにでも崩れ落ちそうな硝子の危うさを抱えているいま、キンキの2人は、これまでのスタンスを一新する決断を下したようにも感じられます」(前出・芸能関係者)