7月、Twitterは「X」となった。青い鳥は消えアイコンも黒いXとなり、悲しむ声が巷にあふれた。機能面を見ても様々な変更がされ、徐々にイーロン・マスク氏の目指すスーパーアプリ化している。スーパーアプリとは、一つのプラットフォームとなるアプリに複数の機能やサービスを統合したアプリのことだ。このままXは衰退するのか。開始5日間でユーザー数が1億人を超えて話題となったThreadsが勝つ日はくるのか。SNSの最新事情に詳しい成蹊大学客員教授高橋暁子さんに聞いた。
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「Twitterの青い鳥がいなくなり、黒いXになってショックを受けた。色々問題も起きているし、このままサービスがなくなるかも、移転先を見つけた方がいいと考えて色々と新しいSNSを試した」と、よく使っているSNSについて聞いた大学生は言う。
同じように考えたことがある人は多いのではないか。実際、Twitter(現X、以下同)の機能変更は、このところ立て続けに起きている。
7月には、一般アカウントの閲覧件数を1日あたり600件、認証アカウント(有料サービスBlue加入アカウント)では1日あたり6000件までとし、その後に1000件と1万件まで緩和している。
また、有料サービスであるBlueに加入しないとDM(ダイレクトメッセージ)は1日20件に制限されてしまった。
災害時の情報発信にAPIと呼ばれる仕組みを利用して自動投稿していた自治体が多かったが、7月の仕様変更によって使えなくなり、災害時の避難勧告等ができなくなっていた。
たとえば熊本県の「防災くまもと」アカウントは、6月から7月にかけて大雨の際に投稿ができなくなり、調べたところ、自動で投稿できる数が1日50件までに制限されていた。自動投稿を増やすには高額なAPI使用料を支払う必要があり予算の壁があっただけでなく、利用してもやはり多くの避難所の情報を伝えきれない恐れがありストップしていた。ちなみに、5月に公表されたAPIプランは書き込み月間30万ツイート、読み込み月間100万ツイート、3アプリまで対応する「Pro」で月間5000ドル(約70万円)。Twitterまとめサービスとして利用者が多いTogetter社は、まとめが作成できないトラブルが発生したときに「毎月、うん百万払ってるんですけど……」とスムーズに利用するための費用が決して気軽な金額ではないことを明かしている。
ただしこちらは、8月、公的機関の防災・災害情報はAPIの無料利用が可能となっており、熊本県のアカウントも再開している。