監督就任から2年連続最下位になった場合、翌年以降の巻き返しは期待できるのか──。9月15日、中日は立浪和義監督の続投を発表した。監督1年目の昨季は最下位、今季も13試合を残しながら最下位に沈んでいる(9月16日現在)。加藤宏幸球団代表は「(就任要請時に)3年で改革してほしいとお願いして引き受けてもらった。非常に厳しい成績で道は険しいと言わざるを得ないけど、新しい芽も出てきている。不退転の決意のもと、歩みを止めないで改革を推し進めてもらいたい」と説明した。
だが、浮上の兆しの見えない中での続投発表に、ファンからは困惑する声も出ているようだ。
「シーズンも終盤になって2年連続最下位が現実味を帯びてくるなか、注目されるのは『令和の米騒動』や『近藤の62球』などネガティブな話題ばかり。3年契約の途中でなければ、解任されてもおかしくない雰囲気もありました。とはいえ、球団は生え抜きスターの立浪和義を2年連続低迷したまま解任できない。これが続投発表の最大の理由でしょう」(プロ野球担当記者。以下同)
立浪監督と同じく日本ハムの新庄剛志監督も、就任1年目の昨年は最下位に終わり、今季も低迷しているが、来季の続投は既定路線だ。今季の順位はまだ確定していないが、2年連続最下位になれば中日は球団史上初、日本ハムは2度目になる。
来季に期待を持たせる日本ハム
ドラフト会議が始まった翌年の1966年以降で調べると、プロ野球界で就任から2年連続最下位の監督は西鉄の稲尾和久、日本ハムの中西太、太平洋・クラウンの鬼頭政一、阪神の中村勝広、ロッテの近藤昭仁、阪神の野村克也、横浜の山下大輔、横浜の尾花高夫、オリックスの西村徳文の9人になる。この中で続投したのは稲尾、中村、野村の3人しかいない。
「稲尾監督、野村監督は翌年も最下位でした。唯一、中村監督は3年目の1992年、新庄剛志や亀山努という若手を抜擢。投手陣が開花し、あと一歩で優勝の2位まで躍進しました。前年の終盤には中込伸、湯舟敏郎、野田浩司、猪俣隆、葛西稔というドラフト1位が5連続完投勝利をしました。ただ、当時は“珍事”のような捉えられ方をされ、『春先にしないと意味がない』と懐疑的に見られていました。阪神は1987年から暗黒時代が始まっていたので、ファンもマスコミも疑心暗鬼だったのです。今年の中日や日本ハムにも希望の光を感じられるなら仮に2年連続最下位でも、ファンは続投に納得すると思います」