ひとり仲間はずれにされるA君(右端)

ひとり仲間はずれにされるA君(右端)

《自分たちが楽したいからという理由でAに雑用をやらせ続けたことは、許されないことだと思います。食器や弁当箱を洗わせたり、洗濯物を干させたり、マッサージさせたり、夜遅くに買い出しに行かせたり、いろんな雑用をさせてきました。これだけのことをさせてきて、Aの立場になって考えることができず、Aのつらさに気付けなかった、そして、気付こうとしなかった自分は本当に駄目な人間だと思います》

 学校は3月13日、内容がいじめであるとして防止対策調査委員会の設置を決定。生徒課職員が剣道部1、2年生の部員17人に聞き取り調査を行った。

「いじめの中心人物だった2年生のC、D、Eの3人は3月下旬に除籍となり、いじめに関わった3名以外の生徒への指導や処分も行われました。A君の保護者は学校に対して、『A君の画像を消去させるほか、拡散しない旨を記載した誓約書』への同意を何度も依頼しましたが、同意しない一部の保護者もいました。

 学校は『誓約書へのサインを依頼まではできるが、強要はできない』と話し、“知人等に(画像を)持っている者がいたら削除させる”という項目を誓約書から保護者に無断で外して同意させていました。」(前出・学校関係者)

加害生徒に下った処分

 4月5日には剣道部の保護者会が行われ、顧問はその場で以下のように語ったという。

「剣道部の中から3名の生徒が学校から去ることになった。(略)寮の中で喫煙、飲酒、暴力、窃盗、いじめが行われていたことは事実。あれだけ話をしていたにもかかわらず、やりたい放題。事あるごとに怒られ、注意され、寮から出ていけとまで言われたこともあるなかでも変えることができなかった。(略)私たちは教育者。裏切られてもどんなに辛くても、こんな状況でもがんばれ。立ち止まるなと話をした」

 9月19日現在、学校は剣道部内で起きたいじめを公表することなく、部活動を再開させている。A君の父親は悔しさを滲ませる。

「学校は加害者3人だけを処分して終わらせようとしています。他にもいじめに加担した部員はいて、剣道部は何も解決していないなか、事件から約1か月活動を休止して再開させました。学校に退学となった3人の処分内容といじめに加担した部員の処分を聞いても、『個人情報保護のため内容をお伝えすることはせきません』と、メールが来るだけです」

 事件後、A君は「重度のストレス反応」との診断を受け、医師によると「不眠・悪夢・突発的な情動不穏・過剰不安・過覚醒・無気力・外出恐怖・再体験・感情爆発などのストレス反応があり、発症した症状と、申告されたいじめ被害の深刻さは、因果関係があると考えて全く矛盾しない」という。現在も薬物療法を行っているが、治癒には最低1年、場合によっては年余にわたる通院も必要とされている。

 いじめ問題に詳しい弁護士が指摘する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

連ドラの主演を2クール連続で務める松本若菜
【まさに“代打の女神さま”】松本若菜、“別の女優が急きょ降板”で10月ドラマで2クール連続主演 『西園寺さん』も企画段階では違う大物女優が主演の予定だった
女性セブン
史上最速優勝を果たした大の里(時事通信フォト)
【角界の世代交代】史上最速優勝の大の里に包囲網 最大のライバルはたたき上げの平戸海、日体大の同級生だった阿武剋・旭海雄・石崎らにも注目
週刊ポスト
33年ぶりに唐沢寿明が鈴木保奈美と共演する
【地上波ドラマでは『愛という名のもとに』以来33年ぶり】唐沢寿明、2025年1月期で4年ぶり民放連ドラ主演、共演は鈴木保奈美 テレ朝は大きな期待
女性セブン
一時は通常の食事がとれないほどだったという(7月、岐阜市。時事通信フォト)
宮内庁の来年度予算概算要求「医療環境の整備等」が約1.5倍に増額 “大腸ビデオスコープ”への予算計上で再燃する紀子さまの胃腸への不安
女性セブン
事件現場となったアパート
《東大阪・中高生3人誘拐》「事件の夜、女の子の怒鳴り声が」咳止めの市販薬を80錠使用して急性薬物中毒に…逮捕された男のアパートで目撃された“黒髪の女子学生“
NEWSポストセブン
NHKの山内泉アナ
《極秘結婚していたNHK山内泉アナ》ギャップ感あふれるボーイッシュ私服は約9000円のオシャレブランド お相手は慶応同級生…大学時代から培った「ビビットな感性」
NEWSポストセブン
不同意わいせつ容疑で書類送検された山口晋衆院議員(Facebookより)
《不同意わいせつ容疑で書類送検》自民・山口晋議員、エレベーター内キス目撃した20代女性の母親に「ガス会社の社員」を名乗った理由
NEWSポストセブン
長澤まさみ
松本潤、野田秀樹氏の舞台で共演する長澤まさみを“別宅”に招いて打ち上げを開いた夜 私生活では距離があった2人がお互いを高め合う関係に
女性セブン
三田寛子がSNSに載せた初めてのツーショットの真相
《三田寛子の誕生日ツーショット》実は「バースデー当日の写真ではない」疑惑が浮上 中村芝翫は愛人と同棲する家へ直行していた
NEWSポストセブン
妻とみられる女性とともに買い物に出かけていた水原元通訳
《買い出しツーショット》水原一平被告が痩せてロン毛に…購入した「米とビール」にみる現状の生活
NEWSポストセブン
斎藤元彦知事。職場外でも“知事特権”疑惑が(時事通信)
【まるで独裁者】兵庫県・斎藤元彦知事「どこでも仕事すべき」と論じるSNS投稿に映しだされていた「真っ白なGoogleカレンダー」
NEWSポストセブン
再婚発表に賛否両論
東出昌大、再婚の裏側 親しい知人への報告は「発表の直前」 “山暮らしの後輩女優”の1人はSNSで「勝手」と意味深なメッセージ
女性セブン