この騒動について、久保に話を聞いた。
「会場入りするときにエドポロ(キング)とばったり会って、彼のほうから『オレとやろうぜ』と絡んできたんです。それで『なんだテメエどけよ』と言ったら、『いいからオレとやれよ』、『わかったやってやるよ』と言い合いになって。
『どけよ』と言ってもエドポロが立ちはだかってきてしつこかったんで、タックルかましてぶっ飛ばしちゃおうかなと思ってたんですけど、セキュリティが来たので喧嘩にはなりませんでした。(セキュリティが)来なければ(喧嘩が)始まってましたね」
エドポロキングにも話を聞いたが、期限までに回答はなかった。久保は、会場に入ってからも、様々な選手から挑発を受けていたと明かす。
「もともとオーディションの時から『自分対他全員』みたいな、完全アウェーな雰囲気だったんです。当日も会場に入ったら、別の選手も『次オレとやろうぜ』と絡んでくるし、アウェー感は変わらずでしたね。
運営側もそれを察して、日本人選手とオレを同じ控え室にすると喧嘩になるからまずいと思ったのか、急遽ボブ・サップやジェロム・レ・バンナら海外勢と同じ控え室にしてくれた。ただでさえ試合前のプレッシャーがある中で、弱音に聞こえてしまいますが、アウェー感というのは精神的にきつい部分はありました」(同前)
試合後、「奥野さんが強くて、オレが弱かった」と素直に認め、奥野への感謝の言葉も口にしていた久保。今後について問うと、こう話した。
「試合前は(試合に出るのは)一度きりだと言い切っていましたし、自分としては喧嘩で負けたわけではなく、ルールのある競技のもとで負けたので割り切っているんですが、自分が負けたことで地元の仲間や先輩が悔しがっていて。『もう一度(闘う姿を)見せてくれ!』と言われたり、みんなの悔しがってる姿を見ていると、(試合に)100%出ないとは言い切れないような……ちょっと気持ちが変化してるのも確かです」
喧嘩無敗の男はこのままでは終わらない。