「畏敬の念を起こさせる練習態度と粘り強さ、そしてたゆまぬ献身をありがとう。あなたの特筆すべきメジャーリーグ2023年シーズンを目の当たりにできたことをとても光栄に思います」
9月16日(現地時間・以下同)、大谷翔平(29才)が“今季は残り試合をプレーしない”というロサンゼルス・エンゼルスの発表を受け、地元メディアは彼に最大級の称賛を送った。
右脇腹の炎症で9月4日からは打者としても欠場を続けていた大谷。15日にはロッカールームが整理されていたことから、「このままシーズンを終えるのか」と周囲がざわつく中での発表だった。
「15日にMRI検査を受けたところ、右脇腹の状態が思わしくないことがわかり、そのまま故障者リスト入りしました。本人は悔しがっていましたが、自身の今シーズンが終了することを静かに受け入れたそうです」(在米スポーツジャーナリスト)
ライバルたちはまだ試合を残しているが、日本人選手初となるホームラン王の可能性は高く、さらに2度目のMVP受賞も確実視されている。最後の25試合を欠場しながら、44本塁打、95打点、20盗塁、打率3割4厘の成績を残し、投手としても10勝をマーク。二刀流としてメジャーを驚かせ続けた活躍に、米メディアが異例の“感謝”を表明したのもうなずける。
そして、エンゼルスは日本時間20日、大谷がロサンゼルス市内の病院で右肘の手術を受け成功したと発表した。大谷本人もインスタグラムを更新し、「今朝早くに肘の手術をしてもらい、すべてがとてもうまくいきました。 皆さんの祈りと温かい言葉をありがとうございました」と報告している。
2018年10月に大谷が右肘のトミー・ジョン手術を受けた際、投手として復帰したのは1年9か月後。本格的な復帰は2年半後の2021年シーズンの開幕だった。
「靱帯の損傷判明後には、肘への負担を考慮して打者に専念することをすすめる声もありました。それでもシーズン終了を決断し、早期の手術に踏み切るということは、『二刀流を諦めない』という彼のメッセージでしょう。再手術してでも、二刀流を継続するという誰も経験していない大博打に挑む決意です。
いま手術に踏み切れば打者としては来シーズンの開幕に間に合うかもしれないのです」(前出・在米スポーツジャーナリスト)
今回、実際にどんな手術が行われたかの詳細はまだ明らかになっていないが、現地ではトミー・ジョン手術ではなく、新しい方法だったと報じられている。