球団史上初の2年連続最下位の危機に見舞われている中日。「次の監督に代えるべき」「もう限界です」などSNS上で立浪和義監督に対する逆風は強まるばかりだが、シーズン終了を待たずして3年契約最終年となる来年の続投が決まった。すでに貧打解消のためにPL時代の先輩・清原和博氏をヘッドコーチとして招へいするプランがあることも報じられ(球団は否定)、2024年シーズンへの覚悟が窺える。
中日を取材するスポーツ紙記者は、こう語る。
「球団フロントは立浪監督を三顧の礼で迎えたので、契約途中で切れないという判断をしたのでしょう。低迷しているが、岡林勇希、高橋宏斗、細川成也ら新たな力が台頭しているという明るい材料もある。ただ、来季も春先から低迷するようだと事情が変わってくる。シーズン途中で休養からの辞任が考えられるし、立浪監督は崖っぷちです。今オフはトレードを含めて積極的に戦力補強に動くでしょう」
チームを変革するため、立浪監督は「血の入れ替え」に積極的だ。昨年7月に石岡諒太とのトレードでオリックスから後藤駿太を獲得したのを皮切りに、オフに阿部寿樹を楽天、京田陽太をDeNAにトレードで放出し、涌井秀章、砂田毅樹を獲得した。さらに、手薄な捕手陣の補強に動き、加藤匠馬がロッテから復帰。かつての中心選手だった平田良介が戦力構想から外れる形で退団した。今年のシーズン途中には高松渡との交換トレードで西武から川越誠司を獲得。さらに、郡司裕也、山本拓実を交換要員に日本ハムから宇佐見真吾、齋藤綱記を補強した。
「立浪監督のやり方は星野仙一さんの手法を彷彿とさせる。組織を変えるためにメンバーを大幅に変える。そう考えると、出場機会が減っている選手は放出の可能性が高い。トレード要員の有力候補は高橋周平、福谷浩司ではないか。若手の台頭もあり、苦しい立場に追い込まれている。交換要員で他球団の主力クラスを獲得できるとは考えにくいが、細川成也のように伸び悩んでいる若手の獲得を模索する可能性はある」(スポーツ紙デスク)