ライフ

【58歳から元気になる方法】「80代を過ぎた親が近所の人とケンカばかりしている」和田医師が対処法を伝授

(イメージ)

80を過ぎた老親が人と喧嘩ばかりするようになったのはなぜ?(イメージ)

『80歳の壁』など数々のベストセラーを生み出す和田秀樹医師が、「58歳から元気になる方法」をテーマに、50代から60代の現役世代の悩みに答える。80代を過ぎた親が、近所の人とトラブルを起こすようになった場合、子供としてできることはあるのか。高齢者の精神医療に長く携わる和田医師が考える原因と対処法とは。

 * * *

歳を取ると「思い込みの修正」が難しくなる

 80代を過ぎた親御さんが、近所の人とケンカしている様子を見たり聞いたりした場合、子供としては大いに悩むことでしょう。仲裁したほうがいいのか、老いた親を叱るべきなのか。具体的な対処法を考える前に、歳を取った親御さんの身に何が起きているかを考えてみることも大事です。

 >誰もが経験的に知っている通り、歳を取って衰えるのは筋力や臓器の機能ばかりではありません。脳も老化します。高齢者の認知症はそうした老化現象の一つ。認知症のなかで一番多いアルツハイマー型は、「脳が萎縮する」と言われるタイプです。

 実際に亡くなった認知症の方の脳を解剖すると、記憶を司る「海馬」や、思考や感情、行動や判断を司る「前頭葉」に萎縮が目立ちます。前頭葉は、社会の中で人間が人間らしく生きるために最も必要な部分です。

 その前頭葉が衰えると、具体的には何が起こるでしょうか。「考えることが面倒になる」「感情をコントロールできなくなる」「喜怒哀楽が激しくなる」「意欲が衰える」「集中できなくなる」などが考えられます。

 高齢者の迷惑行動がある時から「暴走老人」などと言われ、社会で問題視されるようになりましたが、些細なことでも我慢できずに「キレやすくなる」背景には、前頭葉の衰えが推測されます。

 前頭葉の衰えによる現象としては、「思い込みの修正が難しくなる」という面も指摘できます。それがひどくなると、いわゆる妄想が生じて、たとえば「嫁がものを盗った」「隣人が盗みにやって来る」などの「もの盗られ妄想」が始まることもよくあります。ひどいケースになると、毎日のように110番するみたいなことになるわけでです。

 そういう背景があるなかでは、事実がなかったとしても「近所の人が自分にいじわるする」「いつも自分の悪口を言っている」などと勝手に思い込み、信じ込むこともわりと頻繁に見られるケースです。この場合、子供など周囲がいくら否定しても、本人の思い込みは容易に覆りません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
裁判所に移されたボニー(時事通信フォト)
《裁判所で不敵な笑みを浮かべて…》性的コンテンツ撮影の疑いで拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26)が“国外追放”寸前の状態に
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山上徹也被告が語った「安倍首相への思い」とは
「深く考えないようにしていた」山上徹也被告が「安倍元首相を支持」していた理由…法廷で語られた「政治スタンスと本音」【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
不同意性交と住居侵入の疑いでカンボジア国籍の土木作業員、パット・トラ容疑者(24)が逮捕された(写真はサンプルです)
《クローゼットに潜んで面識ない50代女性に…》不同意性交で逮捕されたカンボジア人の同僚が語る「7人で暮らしていたけど彼だけ彼女がいなかった」【東京・あきる野】
NEWSポストセブン
TikTokをはじめとしたSNSで生まれた「横揺れダンス」が流行中(TikTokより/右の写真はサンプルです)
「『外でやるな』と怒ったらマンションでドタバタ…」“横揺れダンス”ブームに小学校教員と保護者が本音《ピチピチパンツで飛び跳ねる》
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン