先行抽選には応募が殺到し、SNSには多くの落選者から《行きたかった》《イベントの配信をしてほしい》などと悲嘆にくれる投稿が相次いだ。すでにプラチナチケットと化しているイベントの主役を務めるのは、有名アーティストでも、人気アイドルでもなく、なんと出川哲朗(59才)である。彼の還暦を祝して、「男・出川哲朗 還暦祭り in 横浜アリーナ」が来年1月14日に行われることが、8月に発表された。
「イベントの参加者としては、ウッチャンナンチャン(以下、ウンナン)やバカリズムさん(47才)といった出川さんと同じ事務所のメンバーに加え、有吉弘行さん(49才)やダチョウ倶楽部さん、ナインティナインさんなど、彼とゆかりのある豪華なゲストの出演が発表されています。
横浜アリーナの収容人数は1万2000人。それにもかかわらず、先行チケットがわずか1日足らずで完売とは……。隔世の感を禁じ得ませんね」(芸能関係者)
関係者が驚くのも無理はない。いまから20年ほど前、出川のラジオ収録やイベントに集まるファンは、ほぼいなかったのだから。その頃の出川といえば、 嫌われ芸人の代表格で、女性誌『an・an』(マガジンハウス)の「抱かれたくない男」で2001年から5年連続1位を獲得し、殿堂入りを果たしたほどである。
「当時、『低身長』で『不細工』と、女性からケチョンケチョンに言われ、生理的嫌悪感を抱かれていた出川さん。テレビでも“ヨゴレ仕事”ばかりでしたからね。その頃は街を歩いているだけでモノを投げられ、『死ね』と叫ばれたりもしたようです。
横浜にある実家ののり店にまで嫌がらせや悪口の電話がかかってくるほどで、『出川のうちののりか、恥ずかしいな!』と店先に立つ母親や兄にあえて聞こえるように吐き捨てて帰る客もいて、家族全員が困り果てていたのです」(テレビ局関係者)
当時、あまりにもいたたまれない気持ちになった出川は、母の泰子さんに向かって頭を下げた。
「『抱かれたくない男1位なんて、家族すら恥ずかしいだろうと思うから、本当にごめん……』と謝罪したそうです。しかし泰子さんは『どんなジャンルであれ日本一になることはすごいことだから、胸を張れ』と息子を激励しました」(前出・芸能関係者)
そんな出川に転機が訪れたのは『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系・2007年~)への出演だ。どんな挑戦にも体を張り、“リアルガチ”のリアクションで笑いをもたらす出川に対し、風向きが変わっていった。世間の流れをつくったのは、子供たちだった。
「イッテQに出演し始めて5年ほど経った頃です。小学生が『クラスで出川ブームが来ているんだよ!』と話す姿を見て、出川さんはいままでそんなこと一度もなかったと目を丸くして驚いていました」(前出・芸能関係者)
2017年には自身初となる冠レギュラー番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系)もスタート。番組は書籍化され、ベストセラーとなるほどの人気ぶりだ。