2年連続最下位が濃厚な中日ドラゴンズ。一部で報じられた清原和博氏(56)の来季のヘッドコーチ就任については加藤宏幸球団代表が否定したものの、立浪和義監督(54)の続投は正式発表されている。1950年に2リーグ制となって以降、2年連続最下位は球団初の不名誉な記録だが、続投が決まった背景には何があるのだろうか。中日担当記者はこう言う。
「かつて、高木守道監督や星野仙一監督も最下位になりましたが、その年のオフに戦力補強をして、ともに翌年は2位に躍進している。立浪監督も最下位に終わった就任1年目のオフに積極的な補強を敢行した。阿部寿樹を放出して楽天から涌井秀章を、京田陽太を出してDeNAから砂田毅樹を獲得するというトレードが成立。シーズン中もトレードで日本ハムから宇佐美真吾、斎藤綱記、西武から川越誠司を獲得したが、最下位脱出は叶っていない。
解任の噂も流れ、山崎武司や山本昌、川相昌弘といった具体的な後任候補の名前も挙がったが、立浪監督は今年が3年契約の2年目。契約があと1年残っているということで球団は続投させることになったとされます」
開幕戦ではエースの小笠原慎之介に8回145球を投げさせ、8月にはDeNA戦で1イニング10失点を喫した近藤廉を投げさせ続けたことなどにより、OBやファンから立浪采配への批判の声があがっていた。試合前の選手へ白米の提供を監督が独断でやめると決めたことも、“令和の米騒動”とネットで炎上。そうしたなかでも、球団は続投を決めた。
他のセ・リーグの監督に目を向けると、チームを18年ぶりのリーグ優勝に導いた阪神の岡田彰布監督は優勝直後に杉山健博オーナーが続投を明言。2021、2022年と2年連続でリーグ優勝し、昨年オフに2年契約を結んだヤクルトの高津臣吾監督も衣笠剛オーナー代行兼球団社長が続投を発表している。スポーツ紙デスクが言う。
「昨年10月に就任した広島の新井貴浩監督は単年契約だが、長期政権を視野に入れたもの。現在2位でCS出場は確実という状況で、このオフは長期契約に切り替わると見られている。2年連続Aクラスが濃厚なDeNAの三浦大輔監督も昨年オフに複数年契約を結んでおり、続投することになるだろう」