右肘を手術して、今季終了となったエンゼルス・大谷翔平(29)。来年、大谷はどのチームでプレーするのか──そのキーパーソンになるのが、6年間をともにした「盟友」の存在だ。【前後編の前編】
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負傷した右肘に2度目のメスを入れた大谷。エンゼルスのネビン監督にも知らされない電撃発表だったが、無事手術は成功したという。来季の開幕に打者としては間に合うが、投手復帰は25年になる見込み。注目されるのが今オフにFAとなる大谷の去就だ。優勝できる強豪チームに移籍すると誰もが思っていたなか、現地では「エンゼルス残留説」がにわかに高まっているという。現地記者が語る。
「大谷は二刀流をあきらめることなく、来季はリハビリしながらDHでの出場を希望している。その不確定な要因も含めて呑み込める球団はやはりエンゼルスということになるのではないか」
その上で大谷の決断のカギを握るのが、エンゼルスの同僚、マイク・トラウト外野手(32)だ。2人が出会ったのは大谷がメジャー挑戦を表明した2017年オフ。当時すでに2度のMVP(2014、2016年)を獲得したスター選手だったトラウトは、3歳年下の大谷を“口説き”にかかった。メジャーリーグ評論家の福島良一氏が語る。
「大谷がメジャー行きを表明した際、トラウトは自身の結婚式を控えて多忙にもかかわらず、ビデオ通話で交渉に同席。熱心に大谷を勧誘しました。『現役最高』と評される選手に共闘を呼びかけられた大谷は感激し、『トラウトから刺激を受ければ世界最高のプレーヤーになれる』とエンゼルス入りを決めたのです」
翌年のスプリングキャンプで初顔合わせとなったが、2人は冒頭から打ち解けた。『ルポ大谷翔平』の著者で、現地取材を重ねるジャーナリストの志村朋哉氏が語る。
「トラウトは大谷を『ヘイ、ショーイ!』と独特の呼称で呼び、たびたび近くに座ってチームになじめるよう気遣っていました。トラウト自身も『ワールドシリーズ優勝』という目標を達成するために、大谷を待ち望んでいたのでしょう」