芸能

「僕は与党を脅かす、野党の漫才師になりたい」芸歴50年超・西川のりおが語る「けったくそ悪い」の精神

西川のりお(2021年5月撮影)

芸歴50年超の漫才師・西川のりお(2021年5月撮影)

 芸歴50年超の漫才師・西川のりお(72)。約40年前、「西川のりお・上方よしお」のコンビで漫才ブームの一翼を担った頃から変わらない舌鋒鋭い時事漫談で、いまも舞台に立ち続けている。彼が今、“毒舌”を吐く対象とは──。(前後編の前編)

 * * *

「こんにちは、林真理子です」「おい、ちゃうやろ!」

 西川のりお・上方よしおのコンビが舞台に登場すると、のりお師匠はいつものように開口一番、自己紹介を間違える。これまで、何人の名前を言ってきたであろうか。旬の人(旬の事件の人)をチョイスするわけだから、名前を呼ばれるのはむしろ光栄かもしれない。

 取材日は8月11日。日大アメフト部員の覚醒剤・大麻所持をめぐる記者会見の3日後だけに、旬の話題を揶揄した登場だ。夏休みで親子連れも多く、子供も大人に釣られて笑う。劇場にはこの日も楽しい雰囲気が充満していた。出番を終えるとすぐに取材開始。西川のりおは舞台から、我々取材班は客席から、楽屋へ急いだ。

「さぁ、なに話しまひょ」

 席に着くと、息ひとつ切らせてない。

「そう、よう聞いてくれました。最近、ようやく肩の力が抜けてきましてね。楽屋のしゃべりを滑走路に、スーッと舞台に出て、スーッと着陸しますわ」

 手のひらのジェスチャーは、飛行機を表している。

「だからね、汗ひとつかきませんねん。最近のお笑いはどこか力んでますでしょ。手がグーになってるねん。がんばるぞ、笑わせるぞ、勝つぞ、とかね。そんなんやったらちっとも笑えへんですよ。やっぱりね、手がパーでないと。そう思いませんか、ワハハッハハ」

 西川は最近、YouTubeを始めた。政治談義が主で大阪市民の目から見た世事をスパスパと斬っていく。のりお・よしおはずっと何十年も時事漫才。最近あったあの事件のこと、「それでよろしいんかいね」「アホちゃうか」というしゃべくりを舞台で長年やってきた。そのままの勢いでしゃべくり倒しているのだった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
第75代横綱・大の里(写真/共同通信社)
大の里の強さをレジェンド名横綱たちと比較 恵まれた体格に加えて「北の湖の前進力+貴乃花の下半身」…前例にない“最強横綱”への道
週刊ポスト
地上波ドラマに本格復帰する女優・のん(時事通信フォト)
《『あまちゃん』から12年》TBS、NHK連続出演で“女優・のん”がついに地上波ドラマ本格復帰へ さらに高まる待望論と唯一の懸念 
NEWSポストセブン
『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン