芸能

「M-1は4年に1回にしなはれ」「THE SECONDも無茶」漫才師・西川のりおが“漫才賞レースにことごとく反対する真意”

西川のりお(2021年5月撮影)

数あるお笑い賞レースに「反対」の立場を表明し続けてきた西川のりお(2021年5月撮影)

 芸歴50年超の漫才師・西川のりお(72)。「西川のりお・上方よしお」のコンビで1980年代の漫才ブームの一翼を担った彼は、M-1グランプリなどのお笑い賞レースに「反対」の立場を表明し続けてきた。いまや一大コンテンツとなり、お笑い人気を高めた賞レースに、西川が反対する“真意”を尋ねた。(前後編の後編。前編から読む

 * * *

 今年も、年末の大決戦に向けて、1回戦が始まった。「M-1グランプリ」である。2022年には7261組が参加した、日本最大の漫才賞レース。このイベントの大成功に影響されて、「R-1グランプリ」「キング・オブ・コント」「THE SECOND」など、決勝の模様が全国ネットでテレビ中継される、お笑いバトルイベントが隆盛である。

 西川のりおは、これらの賞レースに反対の立場だ。「賞レースは、あくまで僕の意見ですよ、やめたほうがいいです。これのカラクリはね……」と“しゃべくり”はじめた。

「おもろいもんでね、いつの間にやら、芸能の門が『学校』になってしまったんですよ。スクールビジネスが花盛りなんです、今。学校行ったらお笑い芸人になれます、となってるんです。どこの芸能事務所も学校を持ってまっせ。生徒募集、入学金、授業料を払うてもろて、ビジネス化した。ほしたらね、“落とし所”がいるんですよ。

 自動車学校を考えてみてください、最後に運転免許が取れるでしょ。仮免とって、筆記試験受けたらもらえます。ほなね、お笑いも、芸能も、『学校、ちゃんと通ったけど、何もないんかいっ』となるんです。生徒さんからしたら。ところが、うち(吉本興業)で言うたら、舞台は営利主義でやっていますので、いくら学校を出たからといって、舞台に立たすわけにはいかんのです。となると、本人らに何か認定を与えて、納得させるものが必要なんです。学校を出た子が納得するものが『賞レース』と、まあ、こうなってるわけなんですよ。そこであかんかったら諦めや、と言うてあげないといけないですから」

 西川きよしに弟子入りして、世に出てきた西川のりおの時代とは今は違う。違うが、芸人として育ち、客に楽しみを与える目的は変わっていないはずだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン