ライフ

キーウ出身のディマさんが日本での活動名の名字を「工藤」にした理由が素敵だった【連載「日本語に分け入ったとき」】

工藤ディマさん

工藤ディマさん

 日本語を母語としないながらも、今は流暢でごく自然な日本語で活躍している外国出身者は、どのような道のりを経てそれほどまで日本語に習熟したのか。日本語教師の資格を持つライターの北村浩子氏がたずねていく。9月公開の映画で見事に声優デビューした工藤ディマさんは、芸名を自らつけたという。【全4回の第4回】

 * * *

 そう、工藤ディマ、という芸名についても聞きたかった。自分で付けたのですか?

「はい。4年くらい前かな? ニックネームとして使い始めました。私、本名はドミトリー・クドリャフツェフというんですけど、工場の工の字はクドリャフツェフのクから採りました。ドはドウという読み方もある藤。藤は花の名前でもあるから、『工藤』は花を作っている工場みたいなイメージで、いいなと思って。ドミトリーはギリシャ語で豊穣の女神の名前、デメテルから来てるので、それにも合う。

 ただ、ドミトリー/デメテルのほうを漢字にするのが難しくて、じゃあカタカナでいこうか、ってなって、ディマにしました」
 
 工藤は花の工場のイメージ。おお! なるほど、と思わず声が出た。このポピュラーな苗字を、そんな視点で見たことはなかった。ディマさんと話していてわくわくするのは、こちらが今まで気付かなかった日本語の貌(かお)を見せてくれるから。
 
「今、日本語で頭がいっぱいなので、両親と電話で話す時、ロシア語を思い出さなくて日本語が出る時もあります。

 歴史を辿ると、ロシア語はソ連から強制的にいろんな国に導入されたから、母国語並みの言語になって……だからうちの家庭はロシア語とウクライナ語、半分半分くらい。ただ私、正直なところ、ウクライナ語がどんどん片言になってる。すぐ切り替えられない。ロシア語もすぐ出てこない時があります。憧れって何だっけ? 憧れを抱いてるってロシア語で何て言うんだっけ、みたいな」

 日本語漬けの毎日だから、暮らしていてもう困ることはないですかね、と聞いたら、ディマさんは「いえ、あります」と答えた。「まだ加減が、」と言う。

関連記事

トピックス

不倫報道のあった永野芽郁
《“イケメン俳優が集まるバー”目撃談》田中圭と永野芽郁が酒席で見せた“2人の信頼関係”「酔った2人がじゃれ合いながらバーの玄関を開けて」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
山口組がナンバー2の「若頭」を電撃交代で「七代目体制」に波乱 司忍組長から続く「弘道会出身者が枢要ポスト占める状況」への不満にどう対応するか
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん、母・佳代さんのエッセイ本を絶賛「お母さんと同じように本を出したい」と自身の作家デビューに意欲を燃やす 
女性セブン
日本館で来場者を迎えるイベントに出席した藤原紀香(時事通信フォト)
《雅子さまを迎えたコンサバなパンツ姿》藤原紀香の万博ファッションは「正統派で完璧すぎる」「あっぱれ。そのまま突き抜けて」とファッションディレクター解説
NEWSポストセブン
国民民主党の平岩征樹衆院議員の不倫が発覚。玉木代表よりも重い“無期限の党員資格停止”に(左・HPより、右・時事通信フォト)
【偽名不倫騒動】下半身スキャンダル相次ぐ国民民主党「フランクで好感を持たれている」新人議員の不倫 即座に玉木代表よりも重い“無期限の党員資格停止”になった理由は
NEWSポストセブン
ライブ配信中に、東京都・高田馬場の路上で刺され亡くなった佐藤愛里さん(22)。事件前後に流れ続けた映像は、犯行の生々しい一幕をとらえていた(友人提供)
《22歳女性ライバー最上あいさん刺殺》「葬式もお別れ会もなく…」友人が語る“事件後の悲劇”「イベントさえなければ、まだ生きていたのかな」
NEWSポストセブン
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
永野芽郁、4年前にインスタ投稿していた「田中圭からもらった黄色い花」の写真…関係者が肝を冷やしていた「近すぎる関係」
NEWSポストセブン
東京高等裁判所
「死刑判決前は食事が喉を通らず」「暴力団員の裁判は誠に恐い」 “冷静沈着”な裁判官の“リアルすぎるお悩み”を告白《知られざる法廷の裏側》
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《インスタで娘の誕生報告》大谷翔平、過熱するメディアの取材攻勢に待ったをかけるセルフプロデュース力 心理士が指摘する「画像優位性効果」と「3Bの法則」
NEWSポストセブン
永野芽郁
《永野芽郁、田中圭とテキーラの夜》「隣に座って親しげに耳打ち」目撃されていた都内バーでの「仲間飲み」、懸念されていた「近すぎる距離感」
NEWSポストセブン
18年間ワキ毛を生やし続けるグラドル・しーちゃん
「女性のムダ毛処理って必要ですか?」18年間ワキ毛を生やし続けるグラドル・しーちゃん(40)が語った“剃らない選択”のきっかけ
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《田中圭に永野芽郁との不倫報道》元タレント妻は失望…“自宅に他の女性を連れ込まれる”衝撃「もっとモテたい、遊びたい」と語った結婚エピソード
NEWSポストセブン