カラッと揚げて、サクサクの衣でジューシーな肉の旨味を閉じ込める。シンプルにしてこだわりの尽きないとんかつを、食欲の秋こそ無性に食べたくなる。いまや国民食ともいえる「とんかつ」の東京の名店10選をお届けしよう。
とんかつ・洋食ひとみ(紀尾井町)
「長右衛門豚 ヒレかつ」4980円 ※ご飯、豚汁、サラダ、漬物が付く
クリスピーな黄金色の薄い衣に包まれているのは、茨城県の岩瀬牧場で自家発酵飼料で育てられた銘柄豚「長右衛門豚」のヒレ。艶やかなロゼ色の肉を噛むと、旨味とクリアな甘味が凝縮された肉汁が溢れ出す。「とんかつは蒸し料理」と話す店主の日向准一さんは、「とんかつ ひなた」「銀座かつかみ」など名店の初代料理長を務めた経歴を持つ。丁寧な仕込み、豚の旨味を最大限に引き出す技が光る。
住所:千代田区紀尾井町1-3東京ガーデンテラス紀尾井町3F
営業時間:11時半~15時(L.O.14時半)、17時~22時(L.O.21時、ドリンクL.O.21時半)
定休日:不定休
とんかつ すぎ田(蔵前)
「とんかつ ヒレ」2900円
1977年創業の名店。磨き上げられた2つの銅鍋に入るのはラード100%の揚げ油。生パン粉を纏った棒状のヒレを160度の油の鍋で約2分揚げて肉汁を閉じ込め、次に130度の低温の油の鍋に入れて10分前後じっくりと火を通す。再び高温の鍋に移動、170度でカラっと揚げる。余熱で蒸す時間も緻密に計算。ロゼ色に仕上げた肉の旨味と衣の香ばしさが渾然一体となって口の中に広がる。
住所:台東区寿3-8-3
営業時間:11時半~14時(L.O.13時45分)、17時~20時半(L.O.20時15分)※売り切れ次第、終了
定休日:木